タグ： 紫苑1029 海枯れ

父母は既に他界。 好青年という言葉が似合う優しい男性。 海洋大学の助教授をやっているようで、海に関しては詳しい。 本名：二階堂英太郎 海も枯れるまで　HO1 6歳の頃、父親が殺人事件の犯人として逮捕される。 父親（二階堂克太郎）は「二階堂グループ」傘下の一番大きな会社「Nフーズ」の社長をしていたが、二階堂グループの意向で取引先との商品の値下げ、応じなかった会社を切り捨てるという行為をせざるを得なくなり、取引会社との溝が生まれ始める。それにより「Nフーズ」の業績は悪化していき二階堂グループの社長及び会長はそれを全て社長であった克太郎のせいであると判断され、社長を更迭される事態にまで陥る。 更迭される前に、克太郎自身がNフーズの業績改革のために取引会社との信頼回復に臨んでいる際、１つのライバル企業の名前が出てくる。 その企業はNフーズがグループの意向で取引先の商品値下げに取り組むことを裏で入手し、Nフーズが良好に取引をしている会社に片っ端からコンタクトを取り、Nフーズの悪評を押し付けながら「取引するのであれば、ぜひわが社で」とNフーズよりも条件がいい値段で取引をしていたのだ。 Nフーズの悪評により株価は低落し、安くなったNフーズを買収しようとしている様子も伺えた。 Nフーズのためにと、克太郎はライバル企業に取引をしようと乗り込もうとするが、既にこのことを嗅ぎつけていた秘書がライバル企業の社長を殺害している現場を目撃し、殺害をした秘書を庇った克太郎は殺人事件の容疑者として逮捕されるのであった。 そうつまり、克太郎は殺人など犯していないのである。 克太郎が逮捕された後、耐え切れなくなった執事はこのことを二階堂グループや警察へと話すが、二階堂グループにより圧力により聞き入れてもらえず自殺。 英太郎の母も克太郎が殺人事件の容疑者として逮捕されたことにより、周りから「殺人犯の妻」というレッテルを張られ、英太郎と共に自殺をしようと練炭自殺を試みる…母親は自殺することができたが、英太郎は「奇跡的」に生きた。生きてしまった。 ここからすべてを背負った英太郎の新しい人生が始まる。地獄のような人生。 英太郎は母親の死により、母方の祖父の家に預けられたが祖母からは克太郎に付いて行った母の印象が悪かったからなのか「孤児院に預けてしまいたい」「お前なんてうちにいてほしくない」「これ以上迷惑をかけないで」と罵声を浴びせられる。祖父の協力もあってか、小学校中学校高校と一応進学することができた。 学校に在学中も、少しすれば「殺人犯の息子」という情報が出回ってしまい学校に行きたくないとなっても祖母は家から出し、学校へと無理矢理通学させられた。 友達なんて当然できない、できたとしてもそれはお金目的の友達だったりと散々な学校生活を送っていた。 一時期は好きな人だってできた。そのときだけ学校は楽しかったのかもしれない…しかし、たった一言「あいつは殺人犯の息子」、この言葉だけで好きな人からは遠ざけられ、何も楽しくない学校生活が再び来る。 いじめの標的にされた。破られた教科書を見せれば祖母に怒られ、祖父が新しく買ってくれたがそれも破られた。 高校をなんとか卒業した頃、自分の唯一の味方だった祖父が病気で亡くなる。 仕事先も転々としていた。どんなに時間が流れても、「殺人犯の息子」というレッテルは消えない。 なんども自殺を試みた。リストカット、首吊り、焼身、入水、飛び降り…試みた自殺はすべて失敗に終わり「あと少しで死ねたのに」というところで「奇跡的」に生き残った。 「奇跡って…なんなんでしょうね。」 「ははは、嫌になっちゃうな…」 2020.9.26　海も枯れるまで　エンド１

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