タグ： 遺書屋

裏世界の住人、物心が付いたころから生きるためにナイフをふるっていた。無我夢中で襲い、刺し、殺し、奪うそんな生活を繰り返していたが、 12の時師匠ともいえる女性と出会う。もともとは奪うための弱者として襲ったはずだったが、桁違いの実力を見せられあっさりと返り討ち。本来ならそこで人生が終わっているはずだったが何を気に入られたのかその女に拾われた。その女は人を殺すことを生業としていた。ちょうど身寄りも戸籍もない使い捨てが効くガキを探していたらしい、そこから殺しの技術を教え込まれ彼自身も殺し屋となった。 今までなかった名前も師匠にもらい殺し屋として生活を送っていたある日師匠は消えた、霧都へあてた白紙の手紙だけを残して。 そこから何年たっただろうか、仕事に明け暮れていると、生意気そうなガキとであった。最初の出会いはシンプルで裏世界をちょろちょろしているようなどこにでもいるガキだった。 依頼人の小間使い。だがそのガキから連絡を受けることが多くなった。つまりそれだけそのガキは裏世界とのつながりを持ち出したということだ。 そんなどこにでもいるガキが、裏世界の住人となろうとしたとき、他でもない霧都に遺書屋という仕事を持ち掛けてきた。 そのないようはとんでもなく悪趣味だがなかなかに「面白い」趣向だった。 常々師匠から言われいた殺しにはユーモアが必要であるという言葉、確かに俺の殺しにはユーモアが足りていなかったかもしれない。 改めて自分の師匠と殺しを見つめなおすため霧都はそのガキ、「烏川」の誘いにのるのであった。

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