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粗瀬 相馬(あらせ そうま) 犯罪者　30歳　男 ちゃらんぽらんな男。高学歴だが頭は弱い。後先をあまり考えないタイプで、よく女遊びをしている。 精神医学を学んでいたが、過度な放任主義の両親を持ったことにより性格が荒み、特に深い理由があるわけでもなく楽して生きたいという欲望のためだけに裏の道を行くことになった。 無意識ではあるが、家庭環境故か人からの深い愛情を求めている。そのためよく女遊びをするようになるが、本人もなぜそのような欲望に駆られるのかは理解していない。自分は性欲が強い人間なんだと思っている。 以下【或る組織　HO1】秘匿ネタバレ 四年前、ひょんなことから神園瑠衣に出会った。 神園の率いる組織とは裏腹に、人に迷惑をかけることなど全く気にしない相馬であったが、特に目立った犯罪を犯しているわけでもそのような危険思考を持っているわけでもなかったため、手を貸すことになった。 そしていつだっただろう、相馬の自宅で二人きりで盃を交わす機会があった。 そこで、酒に酔った神園が思った以上に精神的に弱い人間であることを知った。弱々しく卑屈なことを言う神園の姿に何故だか惹かれ、酒の勢いで思わず手を出してしまったのだ。勿論神園は拒絶をしたが、弱った状態の神園を慰めるように丸め込み優しく抱いてやれば、それはそれは弱々しく、可愛らしく泣いたのだ。その時は酒の勢いでまぐわっただけ、相馬からすればよくあることだと思っていた。その後顔を合わせることがあれば神園が初々しく頬を赤らめるものだから、愛おしく思ったのか、加虐心がくすぐられたのかはわからないが、それなりに気に入っていた。 そうして、現在から一年前。あまり顔を合わせなくなった神園が珍しく相馬を訪ねてきた。そこで、ひどく悲しそうな、あの弱々しい顔を見せて組織へ勧誘してきたのだ。神園のその顔を見た時、どんな感情を抱いたのかはともかく、『放っておけない、置きたくない』と思ったのは事実だ。 勧誘を受けた組織は以前の神園が率いる組織と同じような『悪を罰する悪』なる組織であった。相馬としては善悪などどうでもいいことなのだが、信念を曲げまいとする神園の心を裏切ろうとは思わなかった。自分は彼の傍らで、多少の支えになってやることが最善で充実した人生なのではないかと、何処か納得の行くような気持ちで組織に入り副リーダーになることを決心したのだ。 ちなみにだが、あの夜以降神園と体を重ねたことはない。 彼に対して恋愛感情があるかどうかは微妙なところだが、今まで遊んできたどの女よりも気に入っている。 だからと言って女遊びをやめるわけではないのだが。ともかく、神園の傷つきやすい、ある意味純粋とも言える信念や執着のような何かに、無意識ながらにも深い愛情を見出しているのかもしれない。

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