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高校三年、弓道部。 実家の蔵にしまわれていた古びた布切れに触れたことで感染。 古びた布切れは、なんとEXレネゲイドだった。 擦りきれることがないという特殊な性質を持つその布を手にした彼女の人生は、 しかし全く変わることはなかった。 弓道は己れとの対話。 オーヴァードへの覚醒を経て自らが人ならざる異能を手にしても、 それすなわち、弓の道がより長く、高みへ至るものになっただけの話であった。 …………………………………………………………………………………………………… 弓を常に持ち歩いているが、矢は携帯していない。 彼女の武器は、弓道の練習の初歩に当たる"素引き"を極限まで磨いた結果得られた達人業。 すなわち、素引きした弓から打ち出される不可視にして無空の矢である。 …………………………………………………………………………………………………… 加賀家はかつては大戦時代、戦闘機の開発に携わった家系であった。 当時の加賀家の男が帰投した戦闘機の調査をしていたところ、内部に忘れ物とおぼしき布切れがあるのを発見する。 血が滲み、名前の刺繍の１つもない、服や反物の切れ端のような、あるいはバンダナのような簡素な布切れは、持ち主を探したがついぞ現れることはなかった。 男はそれを持ち帰り、いつかこの布を引き取る人が現れることを願って大切に保管した。 しかし、男は気づかなかった。かつての所有者の強い思念とわずかなレネゲイドウイルスが、この布に染み付いていたことを。 保管される内にレネゲイドウイルスが培養され、布は、かつての所有者の心のような、強靭で何にも屈しない性質を反映したEXレネゲイドに変わっていた。 そして、その蓋は唐突に開けられーー 現在は、彼女の愛用する和弓の弓束に巻き付けられて使われている。 [tips] 素引き(矢をつがえずに弓を構えることで、姿勢の確認や筋力の鍛練を行う練習) 弓束(和弓の持ち手の部分)

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