タグ： MoMo家の男性陣

昔から頭が良く、運動は平均的だったが勉強が得意だった。友人も多く、小学校から高校まで、いつでもリーダーシップを取る人間だった。 勉強の中でも特に理系の分野に長けており、東京でも有数の理系学科のある大学へ入学した。 大学入学を期に上京し、周りの人間より少し浮ついた考え方で学生生活を謳歌していた。 大学4年間で数十人の人間と付き合っては別れてを繰り返したが、後腐れのない別れ方を心掛けていたので、友人関係が拗れることもなく、金井を毛嫌いする人間はほとんど居なかった。 しかし、唯一大学5年目の秋頃に気の合わない先輩と出会い、気の合わない先輩とチームになり、喧嘩をしながらも仲良くなり、付き合うようになった。 就職を期に同棲を始めて、数年後に結婚した。その後すぐに女の子を授かった。その女の子を「光」と名付けた。 お互いに医療に携わる仕事をこなしていたが、娘である光を一身に愛していた。その気持ちは光も汲んでおり、祖母の家に預けられることが多い光だったが、母親も父親も大好きだった。 そんなある日。その日は金井の誕生日だった。珍しく、金井と奥さんが休みな事もあり、ショッピングに出かけた。 金井のプレゼントを買おうという話だったが、いつの間にか、奥さんと娘の洋服を買うショッピングになっていた。荷物持ちばかりをしていたが、そんな誕生日も悪くないと金井は思った。 帰り道、無慈悲にも道路に飛び出した少女、そして、それを咄嗟に庇った女性が大型トラックに轢かれた。現場には、女性が持っていたらしいケーキがぐちゃぐちゃになって、潰れていた。 その後、奥さんは即死だったが、娘の光はなんとか一命を取り留めた。しかし、もって数日だと分かった瞬間に、古い大学教授から教えてもらった「ある生物たち」の力を借りる事を思い付いた。 大学時代にお世話になった大学教授だったが、妙にオカルトマニアな先生で他の生徒は寄り付かなかった。 しかし、授業の関係で教授と関わっていく中で「君は脳だけで人が生きられる事を知っているかい？」という話を聞いた。 当時は聞き流していたが、藁にもすがる思いで教授に連絡取り、その手の種族と交流することが出来た。 切羽詰まった金井の声に対して、大学教授は心底嬉しそうな声を上げていた。 「お、とうさん？私…」 「光っ！！本当に…本当に良かった…お前と…話せて…」 「な、なんで何も見えないの？体も動かせないよ！？」 「…じ、実は…」 ・・・ 「…じゃあ、光はもう治らないの？ずっと暗闇の中で、体も動かないの？」 「…それについては、お父さんが必ず治す！光だって、知ってるだろ？お父さんは名医だからさ」 「…お母さんは…」 「お母さんは助けられなかったんだ…本当にすまない…すまない…」 「…私のせい、だね。こっちこそごめんね…お父さん…」 「違う！光のせいじゃない！それに、光が元気になったら、お母さんはきっと天国で喜んでくれる…僕も…光が、元気になったら…さ」 「……うん。そうだよね。お父さんだって、頑張って、私のことをここまで回復させてくれたんだもんね……だったら、私もへこんでばっかりじゃダメじゃんね。 お父さん。私のこと治してくれるんだよね！」 「あ、ああ！勿論だ！絶対に！お父さん頑張るから！」 「だったら、私はずっと待ってる！！でも、」 「ああ！ぜーったい！！お父さん頑張っちゃうからな！光と話せて、元気百倍だ！！」 「あ、ちょっと！？…出て行ったのかな？あんまり頑張りすぎないでって言おうとしたんだけどな…」 種族たちに光を脳として生きる手段と、入れ物である人形を受け取った。見返りを求められたが、大学教授の助力もあって、技術と知識だけを手に入れた。代わりに、大学教授への賄賂はずっと渡し続けている。 光を助けたい一心でここまで脇目も振らずにやってきている。このままだと、金井を止める人間はいない。「カタシロ」という「適合者」が見つかるまでーー

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