タグ： Adonis専用うちの子達

歌うのが好き、演奏するのが好き、詩を作るのがすき。 …だけど、好きな事だけで生きていくなんて 無理だって、そんなの難しい事くらいわかってる……。 …分かってた、…はずなんだけどな…。 高校を卒業してろくに勉強もせず 音楽が好きだからってだけで歌手を目指して 夢を追いかけたくて、どうしようも無くて家を飛び出した 「専門学校に行かせてやれる金がない、諦めろ」 「夢ばかり見ないで、現実を見なさい」 「勉強が一番なんだぞ」 親の言葉は耳にタコができるくらい聞き飽きた 分かってんだよ、だけど、好きな事させてくれよ 俺の人生なんだ！俺が自分で決めたいんだっ！！ そんな思いを、誰も聞いちゃくれなかった 先生は背中を押すなんて言いながらも 普通の大学を進めた、親も反対していた。 けど、それでも俺は…。”歌いたかったんだ…” 「死んだ妹が好きって言ってくれたこの歌声で」 バイトもしてたし密かに貯金もためてた 生活なんてなんとかなるだろっ…なんて 甘い考えをした俺が馬鹿だった。 家賃は最安価格の古いボロアパートに住んで 自転車が交通手段で俺は生活を始めた なんとか仕事を探しながら、バイトを続けて 路上ライブを始めた。…けど。 この世界は簡単に、俺に酷い現実を叩きつけてきた 「……〜〜〜〜♪」 自分で作った歌詞で、曲で、声で、歌を奏でる ちらりと視線だけは集まるが 決して俺の歌声を聴いてくれる人はいなかった (ああ、やっぱ。俺が間違ってたのかな…。) 今更後悔しても遅い、けど、だからって諦めたく無い …やってやろうじゃねえか。 誰も聴かなくていい。この俺が好きで歌うだけだ。 俺だけの歌を、歌うだけなんだ…。 冬の寒さが肌を指した…。ああ、くそっ、寒ぃな…。 ―――――――――――――――――――――――――― ある日、大切な妹を病気で亡くした 彼女は歌が好きだった、良く共に歌っていた。 太陽のような笑顔が似合うとても愛らしい子だった。 神様は残酷だ、運命も残酷だ、この世界は残酷だ なんで、まだ10歳になったばかりなのに… この先に沢山、夢も希望もあったはずなのに… 小さな命を奪ってしまうのだろうか。 冷たくなった手を握って彼女に歌いかける。 掠れた声で。その瞳が閉じるまで… 「なぁ、笑ってくれよ…。紬」 ―――――――――――――――――――――――――― ある日、彼は普段とかわらず いつも通りの日常を過ごしていた。 お金もかつかつな為にバイトを詰めては 合間に路上ライブを行うハードな日々、人も来ないのに… ただ、その日はいつもと違っていた。 人混みの中に小さな女の子が俺の歌を聴いていた その笑顔をみて、心の中がザワつくのを感じた。 ドクンッ…と心臓が深く脈を打つ 彼女に話を聞くと、親はいないらしい しかも病院に入院してるときた…。重い病気らしい。 ああ、なんで…。なんでこんな偶然…。 ギリッと歯を噛み締めながらも、俺の歌を好きだと 言ってくれる小さな少女を大切にしようと誓った。 ”残り少ないこの命に” そうだ、少しでも良いから何か彼女の力に なれないだろうか？…ひなちゃんの病気を治す力に…。 シナリオ「その指の先に、」クリア後 あの奇妙な体験をしたあと。 「新谷 日菜乃」の病気は治り、2人で暮らすようになった ストーブも無ければエアコンも無い。 扇風機くらいはあるが、生活感が全くない部屋 布団に2人で入り共に温もりを感じて眠る日々 でも、もう寂しくはない、だって、隣に君がいるのだから 【クリアシナリオ】 ・その指の先に、

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