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カノヨ街壱番地の標本/追鯨 ----✂------以下『カノヨ街』のネタバレあり。-------------- 親は亡く、年の離れた弟の親代わりに時優しく、厳しく慈しみ育て、小さな幸せを守って来たが、或る日事故によってその弟が死亡。 以降、ぽかりと空いた心の穴を埋めるように、仕事に打ち込むようになる。 当時担当していた「ヴィノムス」のプロジェクト「カノヨ街」を通じて弟と同じ年齢の少女と知り合い、一方的にシンパシーを感じて保護対象と見做し、交流を通じて心の安寧を取り戻してきた矢先、その少女がプロジェクトの犠牲になることを知り、プロジェクトメンバーと対立。 その少女を開放すべく、後先考えずに奔走した結果、少女自身を救うことも出来ず、自身も精神重篤患者の烙印を捺されて、開発していたプログラムそのものに投獄された。 その後、現実世界の記憶もなく、自身が山城 楓であるという自覚がないままカノヨ街壱番地にて壱楓を名乗り雰囲気人形師を生業としていた。 すったもんだの末()カノヨ街からの脱出後、持ち帰ったデータを元に「ヴィノムス」を告発。 その際、実行部隊として動いて貰った彼とは持ちつ持たれつ、利害が一致すれば協力し合うことも。 居場所もよりどころも何もかも失くした結果、今は京都のはずれに住む髪付け師に師事し、弟子入りするような年齢ではないにも関わらず住み込みにて表向きは清く正しく美しく生活している。 質素倹約は美徳。 その実、コンピュータ技術者としての知識を悪用して身銭を稼いでいるのは秘密である。

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