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▼性格 父だけでなく、母の役割も担ってきたためか、厳しくも温厚な人物である。 情に厚く、自他ともに心情を重視する。口数が多い方ではないが対話を好み、相手の気が済むまで付き合う傾向にある。 何事にも真摯に向き合う人物であり、たとえ成果がすぐに出ずとも、長期的に時間や労力を割くことを厭わない。忍耐強い。じっと芽がでるまでお世話をし続けて待つタイプ。 料理や家事などは得意ではなかったものの、本人の性格が転じて、今では家庭内で想定される物事は大体そつなくこなせるようになった。 料理から日曜大工まで、とりあえず手がけることはできる。 家族、特に息子を大切にしており、何よりも一番に考えて行動する。家族に対して献身的であり、何事にも代え難いものであると考えている。 「家族」に対して執着のようなものが見受けられ、領域が侵されるようなことがあれば取り乱すこともしばしば。彼にとって、家族は自身の一部であり、決して失われてはいけないものである。 息子の成長を見守ることが好きなことである。 一緒に料理をするでも、話すでも、彼と共に過ごせる時間は全てが宝物である。 そのためかはわからないが、これといった趣味はない。強いて言うなら写真を撮ることだろうか。 息子の夢を応援するために時間を割くことが生きがいなので、別に趣味が無くても気にしない。 高校を出たら、息子が望むのであればこの村の外の学校に通わせてやりたいと思っている。(し、そのために貯金だとかをしている) 昔、学業を納めるために、一時期村の外にいたことがある。 以下KP情報 ▼生い立ち この村で育った。鳶も長男であったため、この村の因習に従い、父を殺している。 鳶の父はこの村で初めて生まれた、イドラ(イ夫人)の信仰に洗脳されていない人物であった。 そのため鳶も信仰に洗脳されることなく、正常な思考と感性を持つ人間へと成長することができた。 父の勧めによって、中学〜専門学校は村の外の学校に通ったものの、途中で父を殺してしまったことが影響し、結局村から出ないことを決めてしまった。 そのまま今の妻と婚姻、息子が生まれる。 ▼村について 本当は戻る気などなかった。父のお陰で村の外を知っていたこともあって、逃げる事はできたはずであった。 しかし、父を殺してしまった後悔に囚われ、結局村を出ないことを決意した。 作られた感情であっても、一度は愛した人がいた場所だったから。 それ以上に、唯一家族として愛を注いでくれた父を裏切り、殺してしまったという後ろめたさがあった。 洗脳されていなかった父を、自身と同じようにこの村から逃げ出すことができるはずだった父を殺してしまったから。 自分がのうのうと生きていて良いはずがない。そう思った。せめて父のように生きよう。父が自分にしてくれたように。そして、自分を息子として愛してくれた人と同じ場所に骨を埋めよう。それが自身にできる最大の親孝行だ。そう思ってこの村に帰ってきた。 ▼家族について 自身の父のように、自身の全てを捧げようと思った。特に、生まれた子供に対しては。 この村が大切なのではない。自身の家族が大切なのだ。 この村で生まれ、運命が決まっているんだとしたら、家族のために生きられたらもう、それで良い。父の生きたこの呪われた地で、真っ当な人間として生ききろう。そう考えていた。 そんな中、息子が産まれた。 最初は息子として愛していた。父が自身にしてくれたように、心からの愛情を注ぎ、この村から護るために自身のできる限りをつくした。息子はとても愛おしかった。生まれてきてくれて、心から嬉しかった。 それと同時に、息子の、そして自身の辿る運命を知っていたから、とても苦しかった。 息子から向けられる愛情は、作られたもの。それでも自分は息子を愛していた。 はずだった。 いつからだろう、その作られた愛情を錯覚してしまったのは。村の因習のせいだろうか。これから起こることを知っているからだろうか。 理由はわからない。ただ、異常なこの村で「普通の人間」と変わらないのは、自身と世鷹だけなのである。 寂しかったのかも知れない。唯一自分を心から愛してくれていた父を失ってから、ずっと一人だったから。 だから自身を愛してくれている世鷹に知らず知らずの内に依存していたのかも知れない。家族としても、想い人としても。 ▼妻の梟(きょう)について 鳶と見合い結婚をした女性。そのためか、鳶は彼女について深く知ることができなかった。 梟はこの村で生まれ、イドラの養い子かつ崇拝者として洗脳されている人間であるため、家族である鳶や世鷹に対して人間的な愛情のようなものを持ち合わせていない可能性が高い。 あくまでも「同じ群れの仲間」として相手と関わり、己の役目を果たすという、義務的、動物的な感覚で家族と接していると考えられる。家族を大切にしていなかった訳ではないが、人間的な愛があったかは謎である。 息子の世話について、この村で生きていくのに必要なことや生存のための最低限のことはするものの、あまり情緒的な関わりはしなかった。そのため世鷹の面倒を全く見たことがないという記憶を持たれている。 洗脳されている梟と洗脳されていない鳶は折り合いが悪いところもあったが、特別仲が悪いわけでもなかった。 鳶は彼女のことを人間として愛することはできなかったものの、この村で生活を共にするパートナーとして大切にしようと努めていた。 しかし、自身の父を殺すことになった元凶である化け物の血を引き、忌まわしき信仰に身を捧げる彼女がどうしても異質に見えてしまい、恐怖していたというのが鳶の本心であった。 それでも離婚や別居などの手段をとらなかったのは、世鷹になるべく普通の、父と母がいる家庭で育って欲しかったからである。 梟は鳶のことを種の異分子として注意はしているものの、彼自身は人間的な感覚では嫌ってはいないため、鳶の妻としての役割や世鷹の母の役割を果たすことは苦としていない。 鳶に普通の「人間の母」としての役割を要求されていても、それがこの群れのルールであるとしてそれに従い、役割を果たしていた。 鳶の結婚指輪は、梟を人として愛することができなかった罪悪感故に、身につけることなく部屋に大切に保管されている。 いくら恐ろしい化け物の血を引く崇拝者であっても、彼女はこの村で生活を共にするパートナーであり、愛しい世鷹を産んでくれた、偉大な人である。 家族として大切にすること。それが鳶にできる精一杯であった。 ▼世鷹に対して いずれくる儀式で、自分に対する気持ちの正体を知ることを知っているため、せめて良い父でありたいと思っている。 息子は18になったらこの村から解放され、自由な未来へ旅立っていく。 それまで彼を育て、見守ることができるだけでも身に余る幸福だと考えている。 恋心は墓場まで持っていくつもりである。彼の18歳の誕生日がこの気持ちへの最初で最後の報酬だと思っている。 父であるだけでなく、最後に偽りでも想い人として抱いてもらえるなら。それでいい。 それでいいと思い込んでいたかった。 本当は彼と一緒にこれからも生きていたかった。 初めて「心から愛した人」だったから。 自身の生涯が終わるまで、添い遂げたかった。 だって貴方のことは生まれた時から知っている。貴方の頭からつま先まで、全てが愛おしい。 貴方の未来までついて行きたかった。隣にいることを許されたかった。 どれだけこの村の因習が、この村の遺伝子が無かったらよかっただろうと思った。 どうしてこの村で、自身は、世鷹は生を受けてしまったのだろうと思った。 どうして親子なんだろう、とも。 明日は息子の誕生日だ。 最後にしよう。 俺は、良い息子を持った。 貴方の父になれて嬉しかった。 偽りでも、恋人のような想いを寄せてもらえたのも嬉しかった。 俺が子供の時から、俺ばっかりが幸せを貰い続けていたから。 それを今、返す時が来ただけ。 俺がもらった沢山の幸福を、世鷹、貴方に あなただけに 全て捧げてやりたいのだ。 誕生日 11/26 世鷹くんの誕生日　4/2

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