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『誰かが傷つく痛みに比べれば、このくらいなんてこと、ないよ』 ◆人物 儚げな雰囲気を纏った少女。幼い頃は活発だったらしいが、小学校に入学した頃から通院を繰り返すようになり、学校へ来ることや学友に交じって遊ぶことも少なくなり、周囲から一歩引いた立ち位置を維持している。 しかしながら冷たいというわけではなく依然として感情豊かであり、楽しいことがあれば笑い、悲しいことがあれば素直に泣く。周囲の感情に流されやすく、共感性の高い女の子、というのが周りの大人からの評価。 数年前から発声障害を患っており、全く喋れないというわけでもないが若干の苦痛を伴うため普段はもっぱら筆談。 趣味および特技は踊ること。病弱になる前はバレエ教室に通っており、今も通うことこそ辞めてしまったものの踊ることそのものはやめていない。 休み時間や放課後にたまに踊る姿が目撃されており、彼女の優美な舞を眺めることが学友たちの秘かな楽しみになっているとかいないとか。 友人曰く『ゆいちゃんが踊ってるの見てるとこっちも嬉しくなる』とのこと。 好きなことは踊ること、綺麗な風景を眺めること、人の笑顔。 苦手なことは陰口や喧嘩など、人の悪感情を目の当たりにしたり聞いてしまうこと。 ◆経歴 表向きは体が弱いため通院、ということになっているが、実際は『肉体の一部が結晶化する』という謎の奇病に罹患したため。 変わらず普通の肉体のように動かすことはできるが、強い衝撃によって砕けてしまったり、出血することもなく破損した部位を癒着させれば自然と癒えるなど、明らかに異常であるため周囲に露見しないようという配慮故に人との接触を極力避けている(宝石の国をイメージしてもらえるとよい)。このことを知っているのは両親、かかりつけの医者、そして彼女の仲間のみ。 ただし本人の希望もあり出来る限り学校へ通っている模様。 世界的に発症の例がほとんどなく治療は絶望的だが、本人はこの結晶により肉体が害されているという感覚が全く感じられないため、不便こそあれどそう悪いものではないのではないかと自身の運命を受け入れている。 なお、発声障害は浸食が進行し声帯の一部が結晶化しているため。 ...彼女らは知る由もないことだが、この結晶は異なる世界において"賢者の石"と呼ばれるものである。 ◆能力 そんな彼女にはさらに両親すらも知らない隠し事があった。 それは人々の心の色を塗りつぶし、世界を荒廃させようとしている空白の使途から町を守る、"色彩の勇者"としての使命。 みんなにはないしょだよ？ 彼女の能力は光を操ること。ただし誰かを傷つけるような出力を出すことは出来ないため、光によって敵をかく乱し、舞い踊るような動きで敵の攻撃をいなすことが彼女に出来る精一杯である。 また、自分の結晶に侵された体のカモフラージュやコミュニケーションを円滑に行うためにも行使している。 結晶体は周囲から彼女への、また彼女自身から周囲へ感情を感応させる機能があり、周囲が暖かな気持ちになれば彼女も快調になり、また誰かが傷つけば彼女自身も傷つき、場合によっては結晶化した肉体に罅が入る。 逆もまた然りであり、彼女の暖かな気持ちにより周囲へ善い影響を与えることもある。それはときに誰かを想う気持ち、思い出を呼び覚ますこともあるだろう。 普段から偽装しているが左目も結晶化しており、彼女の感情の変化によって様々な彩に変化する。 🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸 "こころを喰らうもの"に蝕まれた現実世界での浅希結那が、『自らを救ってくれうる存在』を願った結果生まれた存在が『月虹町に存在した浅希結那』。 彼女の身体が賢者の石、ひいてはそれに属する"無疵なる石"によって浸食されていたのは、"無疵なる石"の「他者の記憶領域へ介入する」性質が浅希結那の「誰かに救われたい、しかし他者と密に関わりたくない」という矛盾した願いを叶えるのに都合がよく、それが反映された結果である(つまり自ら打ち明けずとも心の傷を察し、優しく手を差し伸べてくれる存在として彼女は願われた)。 「ガラスの少女」において少女が湖畔に映った自身に惹かれたがごとく、月虹町の浅希結那が「現実の世界の浅希結那」を「自らが救うべき存在」として執着していたのは、現実の自分に「そうあれかし」と願われた結果であった。 また、結晶化した部分の肉体は生身の肉体の成長に追従するのみであり、肉体のほとんどが結晶化すればそれ以降彼女の肉体がそれ以上成長することはない。 物語時点での浸食率は全身の６割。浸食速度からしてあと１、2年以内にほぼ全身が結晶化する(人間として生きる機能自体に支障はない)。 月虹町で過ごす選択をした場合彼女の肉体年齢は14、5歳程度で停止することになり、『現実世界の浅希結那の抱える身体的コンプレックスを持たない』浅希結那となる。 総括して、にじのくじらにおける浅希結那は現実の浅希結那の願望と理想が反映された存在と言える。 🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸

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