タグ： 海枯れ

物心がついたとき、父はいなかった。母が言うには、遠いところに行ったのだという。二度と会えることのない遠いところに。 小学生も半ばの頃、母が事故にあった。その日から母は家に帰らなかった。祖母が言うには、お星さまになったのだという。いつでも私を見守っているのだと。 高校生になった頃、祖母が老衰した。天寿を全うしたのだという。お坊さんが言うには、あの世に行くのだという。来世に行くまで楽しく過ごすのだと。 二十歳を過ぎた頃、好きな人が亡くなった。10年以上一緒にいた幼馴染だった。「ずっと一緒にいたかった」という彼女は、風邪であっさりと亡くなった。 彼女は、星ではなく灰になり、煙となって空へと昇って逝った。彼女はどこへ行くのだろう。 ずっとずっと遠いところ、あの世というところだろうか。それとも、空へと昇ったのだから星になるのだろうか。 わからない。わかっていることは、彼女は灰と骨だけになったということだけ。 私も、そうなるのだろうか。 人はいつかは死ぬし、それを避けることはできない。それなのに、死について知ることはできない。 必然で、不可知だ。 知るためには、知ったものに、例えば、そう、彼女に、教えてもらうほかない。 それなのに、彼女がどこへ行ったのか、何なったのかわからない。訪ねることも、教えてもらうことも出来ない。 だから結局は、私自身が知るしかないのだ。そのことに、死について知るために。 私はその謎を解き明かすべく、とある砂浜の奥地へと向かった―。 ■ 基本性格・行動指針 雪は解けたら水になる系。（“彼女”は、春になる系） コミュ障ではないが、他者とのコミュニケーションを必要としていない。 そのため、無口で内向的に見られがち。（“彼女”が周りとの調和をしてくれていた） 良くも悪くも純粋であり、自分の欲に正直。 自身が感じた疑問について素直である。 自身が疑問に思っていることについての答えを見つけたい。納得したい。 　疑問：人は死んだらどこへ行くの？何になるの？ ■ “彼女” 雪浦から見た彼女： 　海で泳ぐのが好きだった。よく一緒に泳いだ。 　私の髪が綺麗だと褒めてくれた。自慢の髪になった。 　明るくてみんなに優しい。いつも独りでいる私を気にかけてくれていた。 　日向のように柔らかな微笑が、印象的だった。そんな彼女が好きだった。 彼女： 　海で泳ぐのが好き。あの子の綺麗な声も姿もどこか遠くへ感じるから。 　あの子の髪は綺麗。その髪を弄繰り回せるのはきっと私の特権。 　あの子はいつも独り。綺麗な顔をしているから、それが余計に可哀そう。 　あの子は可哀そうで、可愛い。そんなあの子が好き。 雪浦→→(←←←←)彼女

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