タグ： 羊PC 海も枯れるまで

濡れ羽の黒髪、影の落ちるほどの睫毛、愁いを帯びた瞳、艶めいた唇、桜色の頬、吸いつくような白磁の肌、しなやかな四肢、豊かな胸、引き締まった尻、すらりとした長身と、理想の女性を具現化したような女性。音大を卒業した声楽家であり、親友のピアニストと二人で各地で歌声を披露している。 憂い顔の手弱女であり、見ている人間らには庇護欲と加虐を煽る佇まい。本人も非常に大人しい性格であり、笑顔になるのは家族と親友の前だけである。 歌うことや音楽は好きだが、高く評価されることは望んでいない。音大に行ったのも、声楽家になったのも、自分の歌声をよりよい物にしたいだけであり、自分の歌をたくさんの人間に聞かせたいというような考えは無い。しかし仕事としては好ましい職のため、真面目に取り組んではいる。しかし、世間的にはその歌声よりも容姿を評価されているところがあるため、最近は真面目に取り組むのに少し嫌気がさしてきていた。だが親友のピアノをたくさんの人に聞いて欲しいという気持ちや、彼女が自分の歌を好きだと言ってくれることが嬉しいという気持ちもあり、活動を止める予定は無い。 実家は財閥系列の医者一族であり、医療関係の心得がある。本家筋では無かった上に長子でも無かったので無理に医者になる必要性は無く、音大に進むことが出来た。家族も娘の進路を応援しているが、活動を支援したりはしていない。あくまで自分の力のみで活動している。ただ、実家が裕福であること自体がスキャンダルの一端にはなっているため、家族は好きだが悩みの種にもなっている。 性格は外見通りの繊細なもの。貴婦人の見本のような優雅さと儚さを兼ね備えている。青酉に多い優れた美しい容姿が原因のトラブルに幼少期から巻き込まれており、非常に大人しく内向的に育った。それでいて声楽家という人前に出る職業に就けたのは、やはり親友の存在が大きい。一人ではあまり出歩くことさえもしない。 姉と妹がおり、意外と年下の子供の面倒見がいい。赤ん坊も好きだが、自分が母親になる姿は想像できない模様。異性に対しても父親や親族を除いてあまり接したこともないため、かなり不得手にしている。そうした対外的なあれそれを担ってくれていた親友には頭が上がらない。いつまでもおんぶに抱っこではだめだという意識はあるが、それでもどうにも上手くいかない。現代ではなく、中世ヨーロッパの貴族の家に生まれるべきだった。 特徴表 61【奇妙な幸運】 クトゥルフ神話の神性や怪物がランダムに目標を攻撃する際、その対象からは除外される。ただし単独で攻撃される場合や範囲攻撃の中にいた場合は、対象となる。 ↓ 昔からトラブルには巻き込まれているが、悪運が異様に強い。目の前で事故が起きても、一人だけ無事であったり軽傷で済むことが多い。 職業補足 職業ベース：ミュージシャン(ルルブ記載基本職業) 技能についての補足 【芸術(歌唱)】80→声楽家なので、歌が下手ではやっていけない。 【聞き耳】85→音楽に携わる者として、耳はとても良い。 技能入れ替え 【心理学】↔【目星】 人の心を窺うことは苦手。周囲の様子を見てそれとなく動向を察した時点で、避けられるように動く。 【言いくるめ】↔【図書館】 相手を口先でどうこうするのも苦手。むしろ会話が苦手。それならば本のページを捲りたい。 通過シナリオ ・海も枯れるまで 海も枯れるまで：HO1 以下通過シナリオの秘匿ネタバレ 海も枯れるまで【秘匿HO】HO1：あなたはとても美しい自殺志願者である ■APP18の美しい容姿である。 ■性別は男女どちらでも構わない。 ■年齢は20歳以上である。 ■都内在住 ■探索者は自殺したいと思うほど、この世にとても絶望を感じ、追い詰められている。必ずそういった設定を付けるようにしてください。 死に場所や死に方を日々模索しており、その為手首や首元、身体のあちらこちらに自傷行為の痕がある。(アイコンや立ち絵には痕を描かないようにお願いします) ↓ 中学時代から公私を共に支え続けてくれていた親友の結婚が決まった。相手は彼女の幼馴染で、自分に下心も悪意も無く、誠実に接してくれる優しい人だった。この人であれば親友を幸せにしてくれると思い、心から祝福したけれど、同時に親友が自分だけの人でなくなるのが寂しくて、最後に二人きりでプライベートの旅行に行きたいと強請った。 仕事の上ではこれからもパートナーとしてやっていくけれど、プライベートでは今までのようにはいかない。自分も、親友から離れて自立するいい機会だと思った。自信は無いけれど、自分への心配で夫との時間や仲に影響を及ぼすようなことは極力したくなくて、これが最後の甘えだと決めた。 ──その旅行先で、親友が死んだ。自分もこれからはちゃんと出来るのだと言いたくて、いつも運転してくれている親友と交代して車を運転していた時、フロントガラスにコンクリートブロックが投げつけられて、驚いた自分が事故を起こしてしまったから。 自分はそれなりの怪我で済んだのに、親友は即死だった。事故を起こしたのは自分なのに、ここでもいつもの悪運が働いてしまったのだと気付いて、死にたくなった。どうして自分だけが助かってしまったのか、自分の悪運を呪った。 両親に支えられて出席した親友の葬儀では、彼女の家族が、婚約者が泣いていた。何と声をかけていいのか分からなくて、なんて詫びたらいいのか分からなくて、こんな時でも言葉を紡げずにいた自分を、彼らは誰一人として責めなかった。運が悪かったのだと、不幸な事故だったのだと、悪くないのだと、慰めてくれさえした。その優しさが、あまりにも申し訳なかった。どうやっても彼女は戻ってこない。確かに詫びようも無いのだけれど、でも、彼らの優しさが痛かった。辛かった。それを口には決して出せなかったけれど、胸が痛んだ。 自分の容姿や家のこともあり、速やかにコンクリートブロックを投げてきた犯人は捕まった。若い男性で、犯行動機は「綺麗な人を見かけたので、困らせたかった」。それだけだった。たまたま自分を見かけて後をつけてきて、いたずらに傷つけたいというだけだった。ほんの軽い出来心だったらしい。ニュースで見た犯人は、へらへらと笑っていた。マスコミは連日家の前に押し掛け、あること無いことを騒ぎ立てている。心を土足で踏み荒らしてくる。 ……絶望した。この上なく、絶望した。 直接事故を起こしたのも、その原因を作り出したのも、自分だった。自分のせいで親友が死んだ。違う。親友を殺したのは自分だ。自分が居たせいで、旅行に行こうなどと言ったせいで彼女は死んだのだ。自分が殺したのでなくては何だと言うのか。 それなのに、周囲の人々は自分を責めない。優しい人たちは、自分のことをひたすらに慰めてくれる。本当は叫びたいだろうに、詰りたいだろうに、憔悴した自分を見てその拳を下ろしてくれる。優しすぎて、そんな権利なんて無いのに、泣き崩れたくなった。 これが絶望でなくて何なのだろう。この気持ちを絶望と呼ばないのなら、一体何が絶望なのだろう。この重苦しさは、痛みは、辛さは、悲しみは、まるで深海に沈むようにこの身を苛む。そのまま圧し潰されて死んでしまいたいと思った。彼女を殺した自分がのうのうと生きているなんて、許されていいことではない。彼女と彼女を大切に思う人々から未来を、幸福を、希望を奪って、どうして一人生きているのか分からない。 気付けば、何度も何度も自殺未遂を繰り返すようになった。自立しなければと思っていたのに、彼女の所にいきたくて仕方が無かった。彼女以外と歌うことも出来なかった。もう一人で立つことが出来なかった。ただ、息をしていることが辛かった。

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