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『綺麗な花にはトゲがある…人の秘密には闇が潜む。』 幼少から生き物よりも植物、無機物などの「動かず」「喋らず」「危害を加える心配の無いもの」を好んでいた。 結果的に、閉塞的でやや警戒心を拗らせた性格に育ってしまった。 その分、物事や事柄の処理や分析に関する手際には定評があり、更に医学から博物学までの幅広い知識を有しているため、その点に関しては零課の中でも一目置かれている。 現在独身で、恋人はおろか、友人と呼べる人間すらも両手の指におさまる程度の数しか存在しておらず、その友好関係の狭さが彼の自閉的な人間性を如実に表している。 自宅には部屋にもベランダにも観葉植物が置かれており、大量の本を所有している。ちなみに愛煙家。 ただ、その中に“花”だけは一切存在せず、本人も花を好んで見たり育てたりはしようとしない。 自宅に飾っていた花も、花に関する書物も全て、胸の奥底で暴れ回る嫌悪感に身を委ねるように、焼き払って捨て去ってしまったようだ…南 玲子という名の知り合いと築いた思い出と共に。 零課の班長補佐を任される一方で、班長に対する劣等感に日々苛まれている。 原因は分からないが、胸を刺すようなその感情だけが、彼の中に少しずつ根を張り続けているのだ。 『言ったじゃないですか。他人の秘密なんて、暴くとろくなことがないって。』

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