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暗黒の祖先(20)、眼鏡をかけている 双星児　HO1 シナリオの重大なネタバレが含まれます。 綾瀬真輝。17歳。男。 双子の弟がいる極普通の高校二年生。美術部所属。 手先が器用なので、絵を描くことはもちろん工作や手芸も得意。元々体が弱いこともあってかなりインドア派。 弟の珠輝のことはとても頼れる存在だと感じている。病弱な自分をいつも気にかけてくれるので、珠輝の方が兄なんじゃないかと思ったりもする。 双子だとはいえ、もう少し兄らしくなりたい。頼れる存在になりたいと考えている。 前髪で隠している右目は真珠のように白く、本人はそれをとてもコンプレックスに思っている。 「あの日のことは夢じゃなかったんだな」なんて冷静ぶる自分と、変わり果てた弟がそこにはいた。 全部夢だと思いたかった。 目の前のそれを“珠輝”だと認めたくない弱い自分がいた。 それでも逃げるわけにはいかない。必ず珠輝を助けないと。 「……珠輝…………」 「……今、元に戻してあげるからね」 僕だけの珠輝に。 僕の愛する珠輝に。 僕が描いた絵のように、愛らしい笑顔の珠輝に。 僕が描いた絵のように、健やかな寝顔の珠輝に。 僕のよく知る僕だけの大好きな珠輝に。 戻してあげるから。 僕の元に帰っておいで。 もう離さないから。 長い一日が終わり、疲れているのに寝付けない僕は天井をただぼんやりと見つめていた。数十分そうした後、おもむろに起き上がって寝ている珠輝の枕元からそっと眼鏡を借りる。 かけて鏡を見てみると、少し度が合わないものの、自分と珠輝の顔がよく似ていることを改めてはっきりと実感した。 長く伸ばした前髪を珠輝のように分けてみて、すぐに戻す。きっと珠輝はこれを受け入れてくれるけれど、僕はどうしても自分のこの目が苦手だ。 明日、母さんに眼鏡が欲しいと伝えてみよう。 眼鏡を外して前髪を戻せば、見慣れたいつもの僕がそこにいる。僕達は色々なことを知ったけど、ずっと変わらないまま、ずっと一緒にいようね。 おやすみ。珠輝。

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