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とある名門大学の理工学部物理学科准教授。 常に笑みを讃えている、物腰穏やかな雰囲気の青年。一人称は私（年上には僕）。 他に対しての呼び方は○○君（同い年・年下）、○○さん（年上）。藤原 京に対してのみ呼び捨て。 人より頭一つ抜きんでた才能が自分にあることを自覚している。「まあ私は天才だからね。」とか言う。 ただ、自分の才能を鼻にかけているわけではない。ただ事実を述べているだけ。 普通に他人にも優しい。なぜなら、鈴懸は才能を持つが故に、人にはできることとできないことがあり、 人にできないことをできる範囲の広い自分が手を貸す、ということは至極当たり前のことだからである。 ある程度の事は一定ラインこなすことはできるが、自分に全てのことができるわけではないこともちゃんと分かっている。 その道を究めている人のことは普通に尊敬するしそのことを普通に口にして伝える。 考え事をする時にはルービックキューブを触っていることが多く、常に持ち歩いている。 5歳の頃に父から遊びの一つとしてルービックキューブを貰ったことが始まり。 研究室には5×5×5や6×6×6、スキューブやピラミンクスなどさまざまな種類のルービックキューブが置かれている。 思考や情報を整理したいとき、落ち着きたいときにも触っている。 藤原 京との出会いは幼稚舎のとき。そこから初等部中等部とクラスが一緒だった。 初等部あたりまでそこそこ周りに人がいたが、人とは一線を画した才能を持つが故に中等部に入ると次第に遠巻きにされた。 だが何故か京だけは残った。そのときのつながりは、高等部（コース違い）や大学と道を違えた今もなおある。 あらゆる問題を難なく解いてきた鈴懸だったが、その理由は全く察することができなかった。 過去に一回だけ、本人に理由を聞いたことがある。その答えは、「面白いから」だった。 しかし鈴懸は自分の事を面白い人間だと思っていないので、本当のことを言っているとは考えていない。 （このことから人の心情を理解するために若干心理学もかじった） 解明できない事象に若干苛立ちはするし何故か劣等感を感じずにはいられないが、唯一の幼馴染と言える京をないがしろにできるほど鈴懸は非人間的ではなかった。 才能あふれる「鈴懸 炬」という人間については自信を持っているが、才能を取り払って残った部分の「鈴懸 炬」という人間については全く面白みのない搾りかすであると、鈴懸は考えている。 「天才ではない自分」は空虚である。そう考えているため、鈴懸は「自分は天才である」ということをたびたび口にして他人にも自分にも言い聞かせている。

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