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異能警察は、英雄じゃない。 HO2 :恋心 職業:刑事(2015) 職業p:EDU*20→280p 選択職業技能:〈杖〉 職業特記: 制服もしくは警察手帳の提示により〈信用〉+20、敵対者にはその限りではない。 特徴: ・22【影が薄い】〈忍び歩き〉〈隠れる〉+20 ・42【方向音痴(D)】 〈ナビゲート〉初期値1、経験ロールでの成長不可 →D補填興味値:50p 「……DAP所属、追鳥です。何か」 「身中に、毒虫を飼う選択をしたのは上。こちらに向く視線が増えたのは、正直なところ迷惑極まりないけれど……手段と選択肢を得られたのは、悪くないとは思ってる」 「双葉」 「双葉？」 「……双葉」 くすんだ金髪を編み下げた女。DAP所属以降は右目を眼帯で覆い、型に嵌ったかのような黒い仕事服を何着も着回している。 寡黙、鉄面皮、不言実行が行き過ぎて神出鬼没の域。目立つ筈の髪色からは予想もつかないほど気配が薄い(特徴22)。責務には忠実だが根底は怠惰、努力をしないための努力を是とする効率主義者。 思考回路が脳構造そのものとして独特、高速、並列的(INT18)。倫理の方面に割く情動が少なく、ともすれば苛烈な手段を「熟慮の結果」として即断即決しがち。衝動的・暴力的にも見える判断は緻密な予測と計算の上に成立しており、結果として後から正当性が発覚することが多い。 読んで字の如く我が道を行く女。ただ方向感覚は生まれつきなのか致命的なまでに狂っており(特徴42)、発端からして間違った判断で突き進むため予想外の場所で発見されがち。大移動したタイプの民族の血が容姿含めて濃く出ているのかもしれない。 幼少期から理解に飢えたことは特になく、向けられる視線に対して興味は引かれたことはなかった(POW17)。その例外として初めて見出した対象が柏木双葉であり、栞自身はそれを初恋として認識している。 彼女と出会った中学生時代以降、他者評価を選択肢として少なからず考慮するようになる。自分の適性と社会上の立場を基準として選んだのが、即断即決が求められる対犯罪の進路だった。双葉との交流にあたって彼女自身の行く道にも興味を抱き、そちらの学問にも目を向けた経験がある(興味技能:〈医学〉65・〈化学〉51)。 【通過シナリオ】 ・異能警察は、英雄じゃない。 HO2 20230204-0226_生還 以下、「異能警察」HO2秘匿内容のネタバレを含む非口外情報 ─────────────────── 「あなたに出会わなければよかった。心の底からそう思ってる」 「人生の半分以上をあなたを知って過ごしてしまった。それ以前、どう生きていたか思い出せないくらい。きっとそれまでは完璧だった筈なのに」 「あなたのことがずっと好き。同じくらい、ずっとずっと、あなたが嫌いで、憎んでる。この告白ができる日を、今か今かと待っている」 遠巻きにされることに慣れ切っていた日々の中、唯一そうしなかったのが彼女だった。人類皆兄弟と言わんばかりに親しげにかけられた声に、珍しい事もあるものだと思った。気紛れにその主を眺めていれば、柏木双葉もその頭脳から、周囲に慕われながらも異端と恐れられていることに気付いてしまった。 その声に答え始めたのは、 その名前を呼び始めたのは、 その姿を探すようになったのは、 それを特別だと思ってしまったのは、 果たしていつからだったのかも、もう思い出せなくなっている。 それくらいそばにいるのが当たり前になってしまって、「自分と同じ」ものが近くにいるのは、嬉しい事だと自覚してしまった。 けれど、自分にそれを教えた彼女は、そうではないと気づいてしまった。 生まれて初めての告白なのだと舞い上がって、その裏にある揶揄だとか欲だとかに気づきもしないで、嬉々としてそれを自分に報告してきて、「同性だから」のただ一点で自分をそうとは見ない彼女を、心の底から嫌いになった。 おかしくなっていく自分を許せそうになくて、耳触りの良い言葉を使って袂を分かった。絶対に連絡してねと泣く彼女の顔を張り飛ばしてやりたかった。 考えに考えた末で自分を活かせると思ったここも、蓋を開ければ右へ倣う美徳が当たり前のように並んでいた。疎まれて、拒まれて、嫌われて、気が付けば「何をしてもいい」ひとたちだけを相手にできる場所にいた。 砂を噛むようだった。 誰にも理解されない事が、そばにいてくれない事が、怖くてつらくて寂しくて叫び出したくなる自分がいることに気づいてしまった。 あなたと出会う前は平気だったことが、全然平気じゃなくなった。 それでも、それでも、あなたさえいなければ。時間をかけて忘れる事ができたなら。きっと私は元の私に戻れるのだとそう思ってた、 どうしてそんなものいつまでも持ってるの。 どうして今の私に気付くの。 どうしてこんな女に声なんかかけられるの。 どうして私のことを忘れていないの。 あなたは私でおかしくなってはくれないくせに！ 戻ることを諦めた。 どう足掻いても無駄ならば、手離さないでいようと決めた。 あなたに殺された私のために、私だけが復讐できると気が付いたから。少しでもあなたの心に痕を残せるように、望むように振る舞ってあげる。 馬鹿な奴らがやらかす馬鹿な事全部終わらせて。 あなたが何も考える事がなくなって。 どうせ、きっと、平和になってよかったと、自分の役目が終わったことを馬鹿みたいに喜んで、それだけになって。後はどう幸せになるかってだけのあなたの頭を、砕くように伝えてやる。 少しでいいから。私と一緒になってよ、双葉。 【メモ】 名前由来:オイフォーリン/ファウスト ホムンクルス:幼少期〜老齢期の自分。単為生殖。「ひとりは嫌」 異能覚醒時から赤/白のオッドアイ。服・髪・瞳で黒白金赤。 錬金術における「大いなる業」:黒化・白化・金化・赤化、賢者の石の生成。 栞:語源→枝折 山中の道標・草木をたわめる、しなわせる 植物(双葉)への害性　特徴:方向音痴、自暴自棄

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