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夜叉星 璃凛(やしゃぼし りり)
ID:5546573
MD:6f027257f63d953a321ad42f38c0840f
夜叉星 璃凛(やしゃぼし りり)
タグ:
エンジェル・デビル・インプロパー
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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初期
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アイ
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幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
「この運命には、相応しくない」 ■Angel Devil Improper 《HO2 悪魔》■ 天使に魂(顧客)を奪われてはいけない。 あなたが勤める企業は厳しいノルマがあり、劣悪な環境で働いている。 その上あなたは落ちこぼれである。 なぜなら、『××××××××××××××』ためである。 夜叉星璃凛(やしゃぼし りり)。悪魔。厳しいノルマがある劣悪な環境の下で働く社畜。 誕生日は……誕生日っていつだったっけ…… ※7/18 おっちょこちょいであわてんぼうで、顔と身体がいい。 裏表とデリカシーもなく、隠し事や思慮深い発言が苦手。考えていることが表情に全部出る。 一緒に仕事したくない&彼氏のそばにいてほしくない人物ランキングに共にランクインできる存在。 悪魔の姿になると普段の様子から一転、クールさと妖艶さを漂わせる。しかし中身は変わっていないため、 やはり顔と身体がいいだけの悪魔(カス)を見ることができるだろう。 好きな食べ物は流動食。(固形物を食べると眠くなって仕事間に合わないから) 座右の銘は「一芸は道に通ずる」。一つのことを極めた人間は他の領域の道理も身につくということわざ。 (お前は一芸だけだけどなと社内でいじり倒されている) 好きな番組は「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」。(会社で人を笑わせるのにこれくらいしかウケ内容が思いつかないから) 好きな人は私を助けてくれる王子様みたいなイケメン。いつかイケメンが私の手を引いてくれますように。 ※ブラック企業に染まっているので会社から救い出してくれるという意味ではなく なんかこう、ご飯を作ってくれるとか、世話をしてくれるとか、そういう…。 悪魔なので翼を羽ばたかせ飛行することができるーーはずだが、持病なのか昔の怪我なのか、うまく飛ぶことができない。 根性論を掲げる素晴らしい会社のため、この状態の璃凛は根性無しのレッテルを貼られ ノルマ達成の主業務以外の雑務も含め、常人(常悪魔)の倍…3倍以上の業務を押し付けられている。 そのため普段から残業が絶えず、睡眠も碌に取れていないのが常態化している。 考えも行動もブラック企業に染まっているため、初手謝罪は当たり前。誰か助けてえ…。 また、飲み会ではあるあるの一発芸強要文化があるため、自身の尊厳を捨てるようなモノマネを習得している。 最初の飲み会で直属の先輩のモノマネをし、上司には大受けしたが先輩には無茶苦茶キレられた過去を背負ってから 芸能人やアニメキャラのモノマネをするようになった。飲み会以外の業務中等でもいじ(め)られてモノマネをやることがある。 総じてなんというか、気の毒な悪魔。 世の中では、救われる準備の無い人間(悪魔)を救うことはできないとも言う。 彼女が果たして、自らの境遇を理解して救われることがあるのか……。 それはまだ、誰も知らない物語である。 発言サンプル ・「はい、もしもし……。あっ!!た、大変申し訳ありません……はい…。その件はすぐに……はい、はい……。申し訳ありません、私自身の不徳の 致すところとなります……。ご迷惑をおかけして……は、はい…。この件はしっかり謝罪させていただきます……」 ・「ほ、本当は……朝のアラームで嫌な気持ちになりたくなくて……ごはんに固形物食べても気持ち悪くなったりしたくなくて…… お出かけしてるときに電話来るんじゃないかってハラハラしたくないし、愛想笑いしすぎて顔引きつったりしたくない……です」 ・「イヤーーーーッ 女だからって殴るのやめてくださーーーーーーーい」 ・「あの一応聞きますけど、土下座されたら心地よかったりします?」 ・「うふふ、私固形物じゃなかったらある程度いけるんで、飲み物すごく嬉しいです」 ・「時々思うんです。私は、この身体に似合わない存在が、勝手に入って生きているだけなんじゃないかって。 本当はもっと素敵な人がこの身体で生きていくべきで、私っていう魂はここにあるべきじゃないんだって。 私は──この運命には、相応しくない」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・存在するかもしれない過去 ※なんか シナリオ次第ではここが消える可能性もあります。 別に読まなくてもりりの人生には関係ないです ほら もう思い出すこともないだろうし ──それは、今はもう思い出すこともない、人間だった時の記憶。 かつて夜叉星璃凛は、今のような気の毒な人物ではなかった。 「そんなことも簡単にできない愚かな人間はうちの部署には必要ない。相応しくないの」 とある会社にて、その手腕で頭角を現し、瞬く間に管理職まで上り詰めた女性がいた。 彼女の行うことには全て根回しがあり、正しさがあり、その発言には力があった。 誰も彼女に逆らうことはない。逆らえない。彼女の理路整然とした武装の前では。 ──璃凛は幼い頃、両親を亡くしている。といっても、亡くなったのは母親の方で、父親はどこかへ去っていった。 「誰かを助けられる人間になりなさい」。それが母の口癖だった。 しかし母が自らの身を挺して助け続けた夫は、子供が産まれてから音信不通。 身を挺して娘を育てた結果、最後は無理が祟り身体を壊して亡くなってしまった。 『誰かを助けるために身を粉にしても無駄。自分を助けてくれるのは、自分しかいない。 生きるということは、自分の足だけで歩く方法を見つけること』 それが、幼い彼女が大粒の涙を流し、もう二度と帰ってくることのない冷たくなった母親を前にして 学んだ人生であった。 それから時を経て現在、彼女はその自らの考えを信じぬき、努力を続けた。 一芸は道に通ずる。一つのことを極め、別の領分にも活かす。そうやって彼女は実力をつけ、 誰にも侵されることのない居場所を作り上げたのだ。そう、自分自身の手で。 仕事は忙しく、常にミスは許されない。そんな張りつめた彼女であったが、 その環境をどこか楽しんでもいた。 ある日、彼女が業務を終えて帰路についたところ、一人の女性とすれ違う。 彼女は見目麗しくはあったが、どこか抜けている様子が外から見てわかる人物だった。 何故そんなことが分かるのかと言えば、璃凛の能力以前に 歩いていた女性がが思い切りつまずき、手持ちの飲み物を盛大にこちらへぶちまけてきたからだ。 申し訳ないと土下座をする彼女に溜息をつきながら、とりあえず着替えを購入し一難をしのぐ。 薬師寺と名乗る彼女は平謝り。まるで自分とは違う人種だった。 とりあえずは連絡先を交換し、その日は解散した。 とはいえ、弁償してほしい程の内容でもなかったし、こちらが特段怒っているわけでもない。 特にもう関わることもないだろうと、この夜は思っていた。 最初は彼女が弁償のための埋め合わせだと言って、食事に誘ってきた。 何故弁償なのに食事を……非合理的だ……、と思ったが、無下にすることも無いだろうと受け入れた。 薬師寺は謝り、自分がいかにドジで、出来が悪い人間なのかということから 身の上話までをも話し始める。 璃凛は彼女の話には興味がなかったし、同じ仕事をしているわけでもないから彼女の能力に関しても興味はなかった。 むしろ頭の中で、自部署で進める次のプロジェクトについて企画を練り、 目の前の相手の話は半分──よくて3割くらいしか聞かないつもりだった。 それがどうだろう。あまりにも彼女が表情豊かに話すもので、気づけばこちらに耳を傾けていた。 才能というのは、本人の思わぬところで発揮されるものだと、この時璃凛は実感した。 結局その日は会話して終わり、償いをするはずの本人が楽しそうにして終わった。 後から「自分だけ楽しんでしまい大変申し訳なかった」という旨の極長謝罪文が送られてきたときは 思わず璃凛も苦笑してしまった。 その後の今度こそ埋め合わせがしたいという提案にも、思わずスケジュールを調整してのってしまった。 璃凛にとって生きていくというのは、弱みを見せず戦い続けるようなもの。 仕事中は気を抜けず、周囲にはライバルばかり。実力を見せつけねばすぐに今の立場から引きずり降ろされるだろうし、 誰かのために手を差し伸べるなどもってのほか。 そんな生活を送っていたから、気の置ける友人などもいなかった。 ところが目の前に突然現れた薬師寺樹(やくしじ いつき)という女は、璃凛とは真逆。 初対面の相手に自身の弱みをさらけ出し、それでも楽しそうにしている。 彼女を見ていると、いつしか自分が「笑う」という行為を久しくしていないことさえ思い出す。 仕事はしっかりこなし、スケジュールが開けられないときは仕事を優先する。 そんな璃凛でも、仕事の次には薬師寺との予定を優先するくらい、よく顔を合わせるようになっていった。 『夜叉星は、最近付き合いが悪くなった』。職場でそんな噂が流れるのをちらと聞いた。 うるさい。元々、業務都合で根回しが楽だからお前たちと飲んだり食事に行ったりしていただけだ。 そうしなくても仕事が回せれば、理由もないし行く必要もないだろう。 ……薬師寺は、そういえば何のために会っているのだっけか。 まあよい。理由など、とっくに忘れた。 そんな日々が数か月ほど過ぎていった。 「私、誰かの役に立つ人になりたいんですよ」 「……え?」 ある日。璃凛は彼女がそんなことを言うのを聞いた。それに対し、璃凛は固まって何も言うことができなかった。 それは、璃凛の人生において、排斥してきた考えだったから。 「あ、今はもちろん仕事をして、誰かを助けてますよ!……多分。 でもそうじゃなくて、その……誰かを直接支えられるように、生きてみたいなって」 「……」 薬師寺には彼女の人生があって、彼女の考え方がある。 それは彼女なりに考えて出した答えだろうし、決して甘い考えで短絡的に発言したわけではない。 そのことを、璃凛は心の中ではわかっていた。 だけど、薬師寺の姿が母と重なってしまった。 誰かを助けられる人間になる。その道は、極めてはならない。 その後に何を言ったか、正確には覚えていない。 ただ分かるのは、薬師寺の目標に対し冷たい言葉を投げかけ、否定し、 普段温厚で笑顔が絶えない薬師寺が、声を上げて泣いてしまうまで 責め立ててた、という事実だけだ。 その後は喧嘩別れのようになり、璃凛は苦悩した。 自分は、彼女の目標を否定すべきではなかっただろうか。 いいや、その目標に向かって進んでも、彼女はいつか苦しみを迎えるだろう。 そうなる前に手助けをしたのは、間違いなかったはずだ。 自分の考えをそうやって肯定したかったが、薬師寺の泣き顔を見てしまってからは どう自らの意見の正しさを繕おうと、自信を持てなかった。 それは、今までの璃凛には無かった考え方の芽生えだった。 もう会ってくれないかも。そう考えていた璃凛がメッセージを送ると、 返事は想定外に早く帰ってきた。 こちらこそ取り乱してしまって申し訳ない、謝りたい、と。 「……ごめんなさい。この前は、あなたの目標に対して酷いことを言ってしまった」 「え……そ、そんな!!夜叉星さんが謝るようなことなんて何もないですよ!! 私の方こそ、考えが至らず……」 「いいの。あなたは間違ったことは言ってない。であれば、叱責されるいわれもないのだから、謝るべきは私の方よ」 「いえいえ、私の考えが甘かったんだから、指摘させてしまったんです。謝るべきは……」 互いに謝りの応酬。なんだかそれがおかしくて、気づけば二人で顔を見合わせて笑っていた。 「……というか、いつまで夜叉星さん呼び?私には璃凛という名前があって、 どちらかといえばそちらで呼ばれる方が好みなのだけれど」 「や、その……夜叉星さんは私の……いえその、なんていうか、恐れ多いというか…」 「ふうん。距離は置いておきたいんだ」 「!そんなっ…!ことない、です」 「……」 「……り、璃凛さん」 「……ふふ、よろしくね。樹さん」 そんな会話もして、仲直りもしたり。 また以前のように、仕事の合間を縫って顔を合わせて、二人でよく遊んだ。 色々な話をした。仕事の愚痴から、気になっている男性のタイプの話まで。 樹は職場に気になる男性がいるらしいが、璃凛は職場にいるのは全てライバルだと考えているのでそういうのはない。 その答えについて、残念がる樹と、どこかじんわり面白くない璃凛がいた。 他にも、どうやったら仕事がうまくできるようになるかの相談から、全く関係ない流行りのスイーツとか、服とかの話も。 そう、たくさん、お互いのことを知るようになった。 それは、将来の夢の話まで。 「そういえば……私の夢は話しました。次はその……璃凛さんの夢のこと、聞かせてもらえたり……しますか?」 「……え?私の、夢……?」 「あっ!もももちろん、差し支えなければ、ですけど……!」 「……」 ……夢、か。 夢という言葉は身近なようで、璃凛には縁がないものだった。 仕事のための目標なら、小さいものも大きいものも立ててきた。しかし夢とは、似て非なるものだ。 私の人生に、夢と呼べる目標はあるのだろうか。 璃凛は、目の前に座る樹をじっと見つめる。 この人は、なぜ夢を持つにいたるのだろう。以前は聞けなかったその問いを、投げかけてみた。 「私が夢を持つ理由、ですか?」 「うん。……前に、あなたの夢を否定してしまったときがあったじゃない。あの時はね……」 誰にも話したことのない過去の弱みを、樹には打ち明けられた。珍しくたどたどしくなる璃凛の話を、 樹は黙って、まっすぐ目を見て聞いてくれた。 「……そういう過去があったから。私は一人で生きていけるようにならなきゃ、って思ってたの。 ……もしかすると、これが私の夢なのかもね」 「……」 樹が何か言おうとして、上手く言葉にできず口をつぐむ。 しばらく静かになり、璃凛が悪くしてしまった空気を払拭しようと口を開いた、その瞬間だった。 「璃凛さん、海。海に行きましょう、海!」 「……え。今から?」 今日は平日で仕事終わりに会っているから、時刻としてはもう20時くらい。太陽は既に沈んで外は真っ暗だ。 加えて、二人とも仕事着のままで、とても今から海に行くというような恰好ではなかった。 「今からです!! すごく言いたいことがあるけど、ここじゃうまく伝えられそうにないから……!」 「えっ、え」 璃凛は手を引かれるまま、二人は電車に乗り込み、あっという間に海へと辿り着いていた。 段々暑くなってきたこの季節でも、海から吹く夜風は冷たく心地よかった。 ここまで連れてきて何を言おうとしたのかと、璃凛は樹の顔を見る。 「人って!やるべきことって、一つじゃないと思うんです!!」 「……!?」 普段出さないような大声を出す樹に面食らう。顔を赤くしながら慣れないことを始めた樹は、勢いのまま続けた。 「私は人を助ける以外にも、自分だって幸せになりたいし!お腹いっぱい甘いもの食べたいし!仕事もうまくいくようになりたいし! 瑠璃さんにも、幸せになってもらいたい! やりたいこと、叶えたいこと、いっぱいあるんです!」 「……」 「自分で自分を幸せにするために、もっとわがままになってもいいんです!いつか、そういうことを考えるときが来てくれます!! 瑠璃さん、あなたのしたいことは……なんですか!!」 息をのむ。 樹の真剣な表情に、璃凛は視線を逸らすことができなかった。 自分のしたいこと。それは、面と向かって考えたこともなかった。 でも……それが、あるとしたら……。 「……今すぐには、わからない。でも……樹の言ってくれた通り、それを……探して、みたい」 樹は、それを聞いて向日葵のような笑顔を見せる。 「じゃあ、一緒に探しましょう! 私がお手伝いします!!」 その言葉が、璃凛にとってどれほど心強かったか。 瑠璃は思わず、樹を抱きしめていた。 「!!……あ、あの、璃凛さん……」 「……ちょっとだけ。あなたから、勇気をもらいたいから」 「……そういうこと、なら。……気が済むまで、いいですよ……」 その日は、笑って別れた。 いつか、自分のしたいことを一緒に探してくれる。 樹が一緒にいてくれる。 そう、この日々が続くと、信じて疑わなかった。 その日がやってくるまでは。 その日はいつものように仕事終わりに会う約束をしていたが、 電車の遅れが発生しているようで、先に璃凛だけ待ち合わせ場所についた。 『今日は大切な話がある』等と樹が改まるものだから、そわそわしてしまう。 立って待っているわけにもいかず、待ち合わせ場所近くのカフェで時間を潰すことにした。 待ち合わせの午後7時。当然、電車が遅延しているのだから間に合うはずもない。 少しだけ期待したが、そう簡単に会えることも無い。 時刻は午後8時。時々様子を送りあったりはしているが、まだ電車は動かないそうだ。 もうすぐ樹のスマホの充電が切れてしまうそうで、連絡が取れなくなるそう。 鞄の中の充電器を確認しつつ、こっちに辿り着けたら貸してあげようと思った。 ──時刻は午後9時になろうとしていた。あれから何も連絡はなく、会えてもいない。 たまに電話をするふりをして少し外に出てみたりもしたが、まだ樹が到着している様子はなさそうだった。 それにしても、さすがに遅すぎる。駅にいって待っていようかと、席を立とうとした瞬間。 スマホ上に現れた通知を見て、璃凛は息が止まった。 『電車脱線事故 乗客即死』 走って、駅に向かった。 駅には、救急車の赤いランプが殺到していた。 嫌な予感がして、心臓の動悸が激しくなる。 吐き気が込み上げて、想像の不安で押しつぶされそうになる。 何も事実は確認していない。勝手に想像しているだけ。そう自分に言い聞かせないと、 ここで崩れて立ち上がれなさそうだった。 大粒の冷や汗が頬を伝うのを感じながら、 璃凛は群衆をかき分け、前に進む。 進んで、しまった。 真実を、自らの目で確かめてしまった。 ──運命というのは時にひどく残酷なもので、 いつも突然現れては、大切なものをさらっていく。 親族ではない私でも、それはすぐに分かった。 被害者は、私の親友──薬師寺樹だった。 次の日、初めて私用で仕事を休んだ。血の繋がりのない友人の、葬式のためだ。 自分には友人がいないから、喪服なんて未来に親族の葬式で着るくらいだと思っていた。 だから、まさかこんなに早く着る機会が来るなんて思ってもみなかった。 クローゼットの奥で、少し埃を被っていた服を着てみる。 葬式はしめやかに執り行われた。自然と涙は出なかった。 樹の知り合いのような、若年層の人物は他にいなかった。樹の友人の話は聞いたことがなかったと、 その時少し思い出した。 その日にどの電車に乗って、どう帰ったかは思い出せない。酒も飲んでいないのに、家に帰って着替えもせずに布団へ倒れこんだ。 次の日も、その次の日も私用で会社を休んだ。今までの璃凛からすれば前例のないことで、 会社の人間は訝しんだだろうが、そんなことはどうでもよかった。 今まで自分が大切にしてきたもの、積み上げたものも、今は何も気にならなかった。 休んだ日は、何もせず泥のように眠って過ごした。 ふと、夜中に目を覚まして、スマホの通知があるのに気づく。 それは、一件の予約送信されたメッセージだった。 事件の日の夜、樹は璃凛に、メッセージを送っていたのだ。 『璃凛さん 電車が動きそうにもないし、私のドジで充電も少ないから、 一応メッセージで送ります。 もしこのメッセージが届いちゃってたら、今日は先に帰っててください。 その時はまた埋め合わせします! 今日は大切なことが言えたらいいな~って思ってたから、 本当は言葉にしたかったけど。今日会えないかもしれないから。 あなたに出会えた後から、私はなんだか自分に自信が持てるようになりました。 璃凛さんみたいにかっこよく生きてみたいなって、そう思ったから 誰かを助けるっていう夢にも自信が持てるようになりました。 璃凛さんは、私の夢に間違っていないって言ってくれた。 それがすごく心強い言葉で、すごく勇気をもらえたんです。 あなたは「自分を助けるのは自分しかいない」って言ってくれたけど、 それは違うと思います。 だって、あなたが助けてくれたから、私は救われた。 璃凛さんはもう、立派に誰かを助けてるんです。 私の友達になってくれてありがとう。璃凛さん。 今度また、璃凛さんの夢も聞かせてね。』 堰を切ったように涙が溢れ出し、璃凛は大声を上げて泣いた。 ああ。あなたの言葉で、ようやく気付いた。 私の夢は、あなたの、樹のように大切に思える人の夢を、叶える手伝いをすることだったのだ。 今ようやく、それがわかった。そして、永遠に叶うことはない。 最期、璃凛は命を絶った。 それが自身の手によるものだったのか、あるいは事故だったのか。それは曖昧だった。 だが、その理由がどうであれ、事実として彼女もまたこの世を去った。 樹がいない世界で私だけが生きることに、一体何の意味がある? あなたのように、誰かを助ける人物がいることに、この世界が続く意味があるのだ。 それに気づいたときには、あなたのような人は失われてしまった後なのだ。 それが、璃凛はどうしようもなく苦しくて、悔しかった。 生きるということは、自分だけの足で歩くことではない。 誰かに頼って立ち上がり、いつか誰かが立ち上がるのを助けることが、生きることなのだ。 ──もし、次に生まれ変わることがあったら。 次の人生では、誰かを助けるために生きよう。 私がもらってきたぶんを、誰かにあげられるような存在になろう。 どうか、次の運命では、誰かにとって相応しい存在でいられますように。
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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の著作物です。
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