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両親は昔から病弱だったHO1につきっきりだった。 HO1に比べあまり構ってもらえないことに対して、さみしさを覚えたことが多い幼少期を送ってきた。 それでも、自然と一人遊びが上手くなり、ごく小さい頃から一人で散歩したり外で遊んだりしていた ごくごく幼い頃は、元気…というか何も考えていないアホガキだった。 決定的に自己肯定感を打ち砕かれたのは、小学生の頃。 近所の公園で一人遊具で遊んでいた時に、地面に落ちて左手の小指を骨折した。 激痛に泣きながら家に帰ってきたが、ちょうどその日、涙生が高熱を出して寝込んでいて、両親は涙生にかかりきりだった。 普段からやんちゃで怪我が多かったため、後にしてくれと言われて、一人で氷で冷やし痛みに耐えた。 結局骨折を隠したため、病院で治療されることなく、数週間痛みに苦しみながら自然治癒を待った。 小指の痛みが、「お前は両親に愛されていない」と囁いてくるようで、心も折れた（うまい！） 本当は体を動かすことの方が好きだが、父親に「涙生が歌うの好きだからな、お前も一緒に音楽をやったらどうだ」とギターを渡され、 例え涙生のためであったとしても、父親が自分を見てくれたことが嬉しくて、必死でギターを練習した。 だが、左手の小指の古傷で力があまり入らない。ギターの腕が人並み以上になることはない。 涙生の歌にギターで伴奏をつけて動画サイトに公開していたが、「歌に対してギターが下手すぎ」というコメントを読み、 今はこういうのが流行りだから、と誤魔化しながら、最近は打ち込み音楽での動画も増やしている。 涙生に動画は見せていない。せめてものプライドなので。 時々、両親がなぜか自分のことを見て複雑そうな表情をしたり、隠れて泣いていたことを知っている。 きっと、自分が期待はずれな人間だからだろうと思っている。 そうだよな、俺じゃなくて涙生が健康な体で生まれてきたらよかったのにな。 いつだったか、親戚のおばさんが冗談まじりに言ってたっけ。 「笑生くんは元気すぎるわね、涙生くんと足して2で割ったらちょうどいいのに」 自分が涙生の元気を奪って生まれてきてしまったなら、最初から俺なんかいなければよかったのかもしれない。 誰にも言えない秘密がある。 生まれてからなぜか病院で定期的に薬を投与されてきた、両親や医者に何故薬を投与するのか、 何の薬なのかと話を聞いても「必要な処置だから」としか告げられない。 「このことは涙生や他人には告げてはいけない」と言われており、今まで話したことはない。 なぜだか涙生に対して親愛を持つと同時に憎悪を抱いている。 そのことを考えると、いつも指がじくじくと痛む。 両親が死んだ車の事故では自分は同席していなかった。運がよかったのかもしれない。 同席していた涙生は運よく助かったらしいがショックからか床に臥せっている。 ここ最近体調が悪そうにしている涙生に「本格的に体調が悪化する前に気晴らしもかねてドライブに行こう」と誘った。 このドライブで涙生と二人でゆっくり話をしたいと思っている。 そう、例えば、もう、ギターを弾くのを終わりにしたい、とかね。 だって俺は、お前の隣にいるにはあまりに、期待外れで残念な弟だから。 涙生がいないと技能-10 警察探索者がいる場合-10

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