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『きっかけとかもう関係ないんだわ、そういう建前って雇われには重たいのな』 アッシュ・レドリックに仕えている中国人エージェント。 李文龍の私兵"応龍衆"で二番手に甘んじていたところ、アッシュの評議員昇格と同時に貸し与えられた。 主と対照的に軽い雰囲気を纏っているが、応龍衆に代々伝わる"八来剣"の達人。 一度抜けば他者を一歩も立ち入らせぬ絶対防御の陣を敷き、老獪にして「最も龍に近い男」と言わしめた。 蛇雷の人生は二つの挫折に支配されていた。 応龍衆の頂、"天"の証を彼奴に譲り、足掻く内に応龍ですらなくなった。 だがこの男は諦めを知らず、必ずや応龍に返り咲き天の頂を掴まんと今の責務を全うしている。 かつてこそ耄碌爺の尻を拭く大事でなければ専ら棒振りに没頭する日もあった。 しかし今、励む暇などあるはずもなく、任務先で強敵との邂逅に口元を歪ませるようになったと何処の誰が責められよう。 硝子に潜む主の眼はその全てを見通しているのか、近頃は行く先々で好敵手に恵まれている。

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