タグ： 胡蝶の夢

2010ドライバーを使用 矢走釣具は地元で有名な峠の走り屋であり、地元では父親以外に負けなしの強者である。 なぜ走り屋になったのか... それは父の影響がとても大きい。 父は若かりし頃、自転車で、走り屋と事故にあって大けがを負ったらしい。 その走り屋は自身に責任があるにもかかわらず、責任を押し付けるかのように高圧的に迫ってきた。 父は恐れてすべての責任を押し付けられそうになったが、そこで救いの手が差し伸べられた。 追い込まれた父を救ったのは当時最強の走り屋、加瀬 釣具という男だった。 事故を起こした走り屋も、加瀬の登場に意気消沈し、平和的に物事が進んでいった。 加瀬は走り屋でありながらも、この地元の最強として、争いが起きないように管理をしていた。 その姿に父はあこがれたそうだ。 自身もバイクを買い、それでもあこがれは止まらず、息子、そう私にあの人と同じ、釣具と名付けた。 父も着々と力をつけ、地元の中では名を轟かしたが、一回りも老いているはずの加瀬に、一度も勝てなかった。 一度も勝つことなく、加瀬は引退した。 そして、一度も勝つことはできなかったが、父は地元最強の座を手にした。 最強の父にあこがれ、私も愛車のハヤブサと峠を攻めた。 もう26にもなり、敵はいなくなりつつあった。 しかし、私は父に勝てたことがない。 そして、父との間には超えられない壁を感じていた。 父を超えるため...一度でいい。幽霊でも何でもいい。父が勝てなかった自分の名前の由来。 最強の走り屋、加瀬と戦いたい。 峠には、そこに魂をささげた走り屋の霊が住まうという。 きっとこの峠には加瀬の霊が、しかも最盛期、最強最善の状態で眠っているはず。 今日も愛車のエンジンをふかす。

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