タグ： X2U探偵×助手

地方の農村出身の青年。 双子の妹のエマと、その下に兄弟がさらに何人かいる。 学業もそこそこに、ロンドンへ出てきて仕事を探していた。 靴磨きなどを掛け持ちしつつ、富裕層の客からこぼれる知識などを拾って少しずつ勉強を重ねる日々。 だって牧師様も言っていた、勉強は身を助けることもあるのだと。 とはいっても、明日の食事に事欠くようでは勉強どころではない。 だからこうして日銭を稼ぐことに精を出している。 そんなある日、具体的には一年前の5月のある朝、道の真ん中に落ちていた小奇麗でどろどろな男を拾う。 辻馬車に轢かれないよう家に引き取り、介抱をしてみれば怪我もしていないようだった。 安心して目を覚ますのを待てば、なんと彼は天才と名高い名探偵だった。 紆余曲折を経て彼の助手というポジションに収まり、今では毎日の食事に困ることはない。 この暮らしを与えてくれた先生のことを尊敬してやまない、たとえ彼が想像していたような品行方正なバロンではなかったとしても。 突拍子もない天才のことを理解しようとするほうがおそらく間違っているのだろう。 彼はただ、予測もできない嵐のような探偵に付き従いほめたたえ、その頭脳と手腕のサポートをするのみである。 身内とみなした人間以外にはすこし人見知り。 ロンドンに出てきたばかりのころ、学のない田舎者と取り合ってもらえなかった少し苦い思い出から。 その分実力で彼をサポートしようと最近は料理の練習にも励んでいる。 とはいえ、先生の助けになるのなら少し苦手な依頼人とのコミュニケーションだって頑張るのだ。 自分が使えるようになれば先生の役にも立つし、田舎への仕送りも増やせる。 エマはもうすぐ婿をもらうのだ。すこし贅沢なレースでも買ってやりたい。

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