タグ： 案山子クトゥルフ

　くそう　つぐみ。　 　剥製の製作、販売を行う専門店『鶫工房』を営む男性。剥製の製作の他、他店から仕入れた剥製の販売なども行っている。 　店内は無数の剥製が壁、棚、机の上等所狭しと飾られており、店内の何処を見ても何かと目が合う。見た目賑やかに感じるが、音楽の一つさえ流していないため、店内は常に静まり返っている。製作を行う工房は奥にある別室。 　来客には珈琲を淹れてくれる。じっくりと剥製を見てもらおうという心遣いである。 　元オカルト研究部。大学では生物学を学んでいた。卒業後は製薬会社へ就職するつもりだったが、飼っていた動物が在学中に死に、せめて自分の近くに残したいと剥製にしたことをきっかけに剥製作りに没頭していく。そのまま自分の生業とした。 　彼自身は自分の選択を後悔している。結局、残ったのは形だけで、気を紛らわすことなんて出来はしなかったのだ。それどころか、余計に心を痛める始末で。 　剥製作り自体は好きだし、今の職にも不満は無い。 　ある事件でクトーニアンと出会った。

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