タグ： whonsyu

生前 バニシングツインという現象をご存じだろうか、 妊娠中のお腹に双子が確認された後、何かの理由で死亡すると片方が消失してしまう現象である。 エリにはアキと名付けられるはずだった双子がいた、しかしそれは叶わなかった。消失してしまった。 たまたまその経緯をしったエリは密かにアキを想像するようになった、やがて夢の中で見るようになり、まるで意思があるように話す事もできるようになっていた。 アキは言った、私はエリの中で生きているのだと、ひとつの身体で二人一緒に大きくなろうと。 ふとした拍子にエリはその話を母に漏らしてしまう、しかし母はアキが生まれてこれなかった事を自身のせいだと思いつめていたため、エリに責められていると誤解してしまう。 母は心の安定を求めて宗教にハマり、父とは離婚、母親の育児放棄の果てにエリは施設に預けられた。 それからは一層想像の世界にのめり込むようになったエリは、ついに現実にアキが見えるようになってしまっていた。 ある時なんと想像のアキがエリと入れ替わりたいと要求をはじめる、エリはできないとおもいつつ承諾してしまった 次に目が覚めた時に見たのは真っ白な天井、と拘束具に包まれた自分の姿だった。 それからしばらくアキの姿を見る事も無く、両親も失踪したと聞かされ、意識がない間に何をしていたかは知らされなかった。 その後、暫く真っ白な病院のような所で過ごすようになり、自由がなく、陰鬱な日々が続くと、再びアキが現れ始めた。 アキと話して寂しさを紛らわせながら、日々を過ごしていたエリだったがーーーーー 目が覚めると自身は奇妙にも首が二つになり、角が生え、生きた尻尾が生えていた…こんな悪夢ははじめてだ。 それでもこの隣の頭にはなじみがあった。 「エリ　これ　なら　ずっと　いっしょ」「うん、そうだねアキ！」 xx18/08/23 謎の工場らしき場所で目覚めたエリは自身の姿が非現実的な姿に変わっている事に気付くも、妄想の存在でしかなかったアキとの邂逅に喜びを隠せなかった。 自分と同じくその場に居合わせた女の子達、静葉、リデル、モモメノと協力し、この陰鬱とした建物からの脱出を決意する一方で、場違いであっても友人、いや、姉妹が出来た事が嬉しかった。 ゾンビと化した工場長らしき人物が見つかり、それは姉妹たちに手帳のメッセージを残し、手に取った銃で自らを撃った。 エリは永遠の眠りについた工場長を見送りながら、その遺品を大切にするべきだと感じた、しかし弄んでいたら危険な為リデルに没収されてしまう事があった。 建物を探索するとそこには首なしの騎士とリッパーという怪物が争っていた、さらに騎士の盾には少女が捕らわれていた。 姉妹たちは少女を救うつもりで戦ったが、少女の心は壊れていたためか、まともに言葉を通わす事もできず、少女を敵に利用されながらの戦闘は熾烈を極めた。 身を刻まれながらからくも敵を撃退し、少女もまた死なせずに済んだ姉妹たち、彼女らが見た最初の世界はひどく淀み荒廃した世界だった。 この先一体どうなるのか、姉妹たちの目に戸惑いの色は隠せない、しかしそれでもなお、エリは悪くないと思えてしまっていた。 過去の事はもやがかかったように思い出せないが、碌な事が無かったように思える。 しかしここにきて、アキがいて、姉妹がいて、更に妹ができた…かもしれない。 こんな淀んだ世界でも皆に合えてよかった、そしてこれからもずっと続く、だから「夢が叶ったんです」と笑えるのだ。

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ