タグ： めあたく ロトカ・ヴォルテラの愛堕討ち うえからでられない 暑と寒 Toro AND/HAND

【HO2 落語家】 政治家の父と実業家の母を持つ、京都の良家の一人息子。 和気藹々とした家庭でこそなかったものの、厳格な両親の期待に応えるため、勤勉な幼少期を送る。やりたいことも特になく、勉強も苦ではなかった。 ところが14歳の時、たまたまつけたNHKで初めて落語を見て、彼の世界は一変する。なりたいものを、夢を見つけてしまった。 そこからというものの、彼の行動は早かった。最大の障壁たる両親を説得するため、今まで一度も下げたことのなかった頭を下げた。 両親から言い渡された条件は、『こちらが納得できるような功績を提示すること』。具体性のない指示に、暗に『納得させてみろ』と言われた気がした。 誰もが認める功績を得なくては。名門大学の大学院を卒業後、使える伝は全て使い作家業に。 商業デビューから新人賞を着実に獲得し、27歳の時には落語を題材とした王道サクセスストーリー長編小説で直木賞を受賞、様々なメディア展開もされ国民的ヒット作品に。 その功績を引っ提げ、再び両親を説得。返ってきた言葉は『好きにしろ』の一言。三指をついて、感謝の言葉だけ述べて家を出た。 それ以降小説業はぱったりと辞め、あの日初めて見た落語家である櫃島の元へ訪問。 折角の小説家としての功績を全て投げ捨てて単身やってきたことに彼は大層驚いたものの、決意と話術を見込み弟子入りを認める。 入門して三年ほど前座を務めたのち二つ目に昇格。この速さでの昇進は異例であり、直木賞受賞者という名声と優れた容姿、巧みな話術によってかなりの注目株。 ちなみにそれ以来両親と連絡は取っていない。嫌っているわけでも不仲なわけでもなく、誇り高い両親をいち人間として尊重した結果。 芸名は六代目桃樂亭富士桜(とうらくていふじざくら)。小説家をやっていた時のペンネームは葛龍文雲(つづらやくも)。作家名はそこそこ名が売れている。 幼い頃から家同士の仲が良く半ば許嫁のような関係だった年下の女性がいたが、同じく良家の長女であった彼女を思い、家を出ると同時に別れた。 昔から落語家という夢を応援してくれており、別れの時もついていくとせがまれたが、そんな彼女だからこそ、自分についてくることで家を裏切らせたくなかった。 彼女のことは今でも大切に思っているし、幸せになってほしいと願っている。 別れに対して未練はないが、いつか別れると決めながら適齢期まで彼女を付き合わせてしまったことは申し訳なく思っている。 性格は真面目で直向き、しかしどこか捻くれている。態度や所作こそ上品だがとにかく底意地が悪い。 上と見れば「下やないなぁ」と言い、左と見れば「右やないんちゃう」と言う。そんな性格。素直にものを喋るということを知らない。 典型的な京都人であり、懐古主義ではあるが新しいものも割と好む。私服は洋服だしご飯よりパン派。お茶よりコーヒーが好き。 実力至上主義ではあるが、他人の努力や真摯な姿勢は汲む。真剣な他人を馬鹿にすることはしない。そこは弁えているし、自分が悪いと認めればちゃんと謝罪する。 プライドが非常に高く、他人に見下されるのが大嫌い。自分にも他人にも厳しい。割とストイック。 それと同時に夢を一途に追いかける一面もあり、落語というものに対しては非常に純粋な好意と敬意がある。彼の聖域であり、汚されたくない部分。 一人称は「僕」、二人称は「あんた(たまに「君」)」。流暢な京都弁で話す。標準語は死んでも使いたくない。 箱入りのお坊ちゃんであるため金銭感覚がズレており、低収入な新米落語家にしては大枚を叩いていたらあっという間に金欠になった。 金銭面については印税もあるとはいえ、割と本気で悩み中。なんなら十羅矢や犬飼に苦言を呈される始末。でも節約のしかたを知らない。詰みである。 容姿と身なりが良く貧弱、かつ(お金が無いので)治安の悪い地域に住んでいるため、変な輩に絡まれやすい。夜道に殴られかけるなんてこともしばしば。 そんな折、いつもの如くその辺のチンピラに襲われかけていたら、それを庇ってくれた犬飼と出会う。 家が近いこともあってそれから何度も同じようなことがあり、完全に顔見知りに。というか「またこいつかよ」のノリに。 こんなにも頭の悪い人間に、というかここまで住む世界の違う人間に出会ったのは初めてで、喧嘩というか言い争いが絶えない。なのに帰路は同じ。勘弁してほしい。 毎回律儀に庇ってくれることに対して一応感謝はしつつも、暴力と無縁の世界で生きてきたゆえに舐めており、暇なんかなと思っている。 ちなみに殴られかけていることに関しては、自認が完全に野郎なのであまり気にしていない。あと単純に危機感が欠けている。避ければええやん。(回避72) 路地裏でキスされた時、本当はすぐに引き剥がして相手を窘めるつもりだった。知り合って間もない男にこういうことをしてはいけないと。 ただ、その瞬間にふと見えた犬飼の表情が、あまりに意外で。理解できなくて、なんだか面白くて、思わずらしくないことをしてしまった。 自分にそんな刹那的な一面があるなんて知らなかったし、自分に対しても犬飼に対しても驚いている。だが不思議と気分は悪くない。 へぇ、あんた、そんな顔できたんやね。僕がこんなとこで誰かとキスしとるの、そんな嫌だったん？可愛ええところもあるんやねぇ。 なに。あんたにもキス、してあげよか？……冗談に決まっとるやん、洒落の一つも知らんのか阿呆。犬っころ風情に易々と売れるほど、僕の操は軽くないねん。堪忍な？ カラーコード:京紫 #825C5C

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