タグ： とうどう しのぎ

全身を構成する筋肉の質並びに量、情報を受け取る五感の性能、外界の反応に対する反射速度……etc etc おおよそ剣を効率的に振るう事柄全てに優れた要素を持った人間同士をかけ合わせ、血統としての進化を促す。 産まれた子どもたちを幼い頃から過酷な修練で鍛え上げ、日常生活に必要なもの以外全てを剣に捧げさせ、 宗家、分家の子たちの年齢の殆どが10から15に差し掛かると彼ら一族は互いに真剣での殺し合いを強要する。 全てはこれから教える技能、秘伝、信念を一人のみに効率的に教え込むために。 血塗られた一族の掟。例外は存在せず、それに彼女も巻き込まれた。 姉を殺した。友を殺した。剣を振るうたびに命が散られる。血に塗れながらもただ生き延びるために走り続ける。 苦しくはなかった。悲しみはなかった。ただ、胸の内で何かが擦り切れていく感触だけがあった。 そして彼女は生き残り、13年の時を経て完成した。齢23にして人がたどり着ける剣の極致と言えるべき場所まで。

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