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スポーツ万能、大切なもの 『狂愛すべからず♡』PC シナリオの重大なネタバレが含まれます。 ・執事、メイド 職業技能ポイント：EDU×20 特記：主人のそばに控えていれば、主人の言いくるめと信用に＋10%のボーナスを与える。 年収:1000万 財産:5000万 「おかえりなさいませ。ご主人様」 親愛なるご主人様の帰宅を心待ちにしているダウナーなメイドさん。ちょっぴり常識がないけど本人は特に気にしていない。 服装は俗にいうジャージメイドというやつで、家にいる時はいつご主人様がご帰宅なさってもいいようにほぼずっとこの格好をしている。 また、ご主人様から貰ったネックレスを肌身離さず付けている。 実は育ちがかなり良く幼少期から英才教育を受けていた。というか所謂お嬢様だったのだが、実家に住み込みで働いているメイドさんが綺麗で可愛くて憧れだったらしくメイドさんになった。 今はコンビニバイトをしつつ、お父様から毎月振り込まれる「お小遣い」を使って不自由のない生活をおくっている。 ♡ 全てが夢だったら、なんて、思うのです。 「おはよう、アリア」と、優しく微笑んでくれたら、なんて。 夢を終わらせると決めたのはわたくし自身なのに、未練がましいにも程がありますよね。ふふふ。 1人の部屋、1人の朝。 毎朝わたくしの病室に来てくれた看護師の方も、もうここには居ない。 だってわたくしは退院して、わたくしの家に帰ってきたのだから。 「……これから、どうしましょうね」 こたえてくれる声は、妄想は、もう聴こえない。 「……とりあえず、そうですね。お仕事を探しましょうか。……メイドごっこは、もうおしまい」 聴こえない。正常になった現実は酷く静かで寂しくて。 「…………それとも、少し休みましょうか。久しぶりに実家に顔を見せて……そうです。そうしましょう」 聴こえない。聴こえない。聴こえない。 「お父様もお母様も、きっと、心配していらっしゃるでしょうから……」 愛おしいその声は、もう、ここには──。 どこまでも優しい人でした。 これは妄想なんかじゃありません。ちゃんとここに、証拠があるのです。 お揃いのネックレスなどではなかったけれど、彼がわたくしのためにくれた物なら、何であろうと素敵なプレゼントだと思うのです。 これは、ずっとずっとわたくしの大切な物。 これは、わたくしを守ってくれるお守りであり、あの幸せだった夢をいつまでも忘れさせない、優しくて苦しい思い出の品。 この苦しみは、きっと罰なのでしょう？ でも、だとしたら少し軽すぎるかもしれません。 嗚呼、それなら。 重苦しく止まない愛と、罰を抱えて、いつまでも。

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