タグ： おやすみ、受け止めてやる。

終わりがあるから美しい。 そんな綺麗事、軽々しく言わないでよ。 ＊　＊　＊ 風上 凪斗（カザカミナギト） 愛知県民。ロリコン。 好きなポケモンはエルフーン。 内向的な性格。多感なお年頃。 明るく元気で「女の子！」な彼女に対して、少し苦手意識を持っていたが、とある日の昼放課（愛知県用語）に印象が変わる。 静かな場所を求めて、校舎から離れた場所にある小さな庭園に足を運ぶと、木陰で眠っている彼女を発見する。普段の明るい彼女の姿から掛け離れた、一瞬でも目を離すと消えてしまいそうな、儚く幻想的な雰囲気に凪斗は惹かれてしまう。 彼女を起こして話を聞くと、ナルコレプシーという睡眠障害を抱えていることを告げられる。寝ても寝ても眠いらしく、意識の外で唐突に眠ってしまうことがあるらしい。 けれど彼女はクラスの輪の中心で人気者。厄介な病気を抱えていることを周囲に隠したいようで、昼休みは毎日こっそりこの小さな木の下で寝ていたようだ。 そのことを凪斗に告げると、KPCは再びお昼寝をしてしまう。なぜか膝枕させられる。その日からやたら懐かれる。 あまり目立ちたくない凪斗だが、「突如意識を失ってしまう」という病気を抱えていると知ってしまった以上、どうしてもKPCのことを放っておけない。ともかく危なっかしいのだ。 KPCも凪斗に気を許しているのか、何かと凪斗の隣で寝たがる。お昼休みに木陰で集まるのが二人の日課となる。凪斗が作ったお弁当を二人で食べて、少しの間、彼女は眠る。とても穏やかな日々だった。 いつも言動が唐突なKPCだが、特にその日は多動だった。午後からの授業をサボって海に行こうと言い出した。こっそりと学校を抜け出し、バスに乗って隣町へ向かう。 あまり外に出たがらない凪斗にとって、KPCが見せてくれる景色はどれも新鮮なものだった。謎な言動が多いので見ていて飽きない。こんなにかわいい子を独り占めしていることに、凪斗は居心地の良さを感じていた。そうだ、自分はこの子を独り占めしたいんだ。海を背景にこちらに笑いかけるKPCを見て気付く。 遊び疲れたのか砂浜で膝枕してくれと頼まれる。波の音を聞きながら眠るKPCのほっぺをつんつんぷにぷにしたりしなかったりする。 その日の帰り道にトラブルが発生する。歩いている最中、KPCの意識が唐突に無くなったのだ。今回は大事には至らなかったが、もしも自分が隣にいなかったら……もしも往来で発作が起こっていたら……凪斗は酷い恐怖心に煽られる。けれどKPCは「君が隣にいてくれるから急に寝ちゃっても大丈夫」等と呑気なことを言っているので、ますます放っておけなくなってしまう。 その日を境目に、お昼休みのお昼寝から起こそうとしても中々起きてくれないようになる。 ＊　＊　＊ tips ・二人の帽子は互いの贈り物。 ・臆病オドオドで女の子みたいな顔立ちをしている凪斗は、一部の女子生徒と一部の男子生徒に好かれた。

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