タグ： DXろびん

両親はFHの研究員として遺産の収集をしていた。子供より遺産を大切に扱う奴らとその対象に怒りと嫌気を覚えた。 ある日研究所はUGNにより討伐された。俺は1人裏道から脱出した。その時に遺産の一つに見初められ覚醒した。 それからは裏側の世界で1人の力で生きてきた。学校なんて一切通っていない、生きるだけなら勉学など不要だ。 生きるこは戦いで、俺は勝利に手段を問わない。これが遺産の意思なのか、そうでないのかなんてもうどうでもいい。利用出来るものは利用する、それだけだ。 遺産継承者として勝つためなら手段を選ばないその戦闘方法は敵に回すと危険であるので、UGNは支部長という地位を与えることを交換条件に手元に置いた。 支部長というのは地位だけであり仕事はすべて部下に任せているが、それに関して文句を言える人間はいない。 彼に逆らえば命の奪い合いをさせられ、彼がそれを教唆した証拠は何も残りはしないのだから。 彼の顔には火傷の跡がある、左肩まで及ぶ大きな。 過去、彼にも仲間がいた。 施設から逃げ出して、訳のわからない槍と契約させられて、力の扱い方も知らず、独りでの生き方もわからない。 そんな彼にも、同じように路地の裏で光も当たらぬ場所で生きた仲間がいた。 しかし今はいない、彼らも負けたのだから。 彼らは灰となり、塵となり、煙となった。 そういう世界に生きてきたのだから、当然と割り切った。 この傷は、勝った自分の証、初めて負けた、あの日の記録。 この傷は治らないのではない、治さないのだ。治せないのだ。

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