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「もっと光を！！！」 世界的マジシャン氷室豪炎（ひむろ ごうえん）の息子、炎や花火などのド派手な演出と計算された技術によって観客を魅了する父の背中を見て過ごし、自身もマジシャンの道に進むこととなる。 世界を飛び回ることによって様々な技術をその目で見ることができるという恵まれた環境にあったため、その才覚を顕在化させる。 そして彼は14歳からステージに立つこととなり、若いながらも決して親の七光りなどではなく実力を持ったマジシャンとして世界から認められることとなる。このまま、実力を伸ばしいつかは父をも超えるマジシャンとなることが夢であった。 しかし、彼が20歳の時、父はとある公演で事故で亡くなった。 誰が悪いわけでもない、数多の偶然的な要素が絡み合って起きた事故であった。彼にも原因があったし、父にも原因があった、周りのスタッフや、観客、機材、時間、場所、天候、どれか一つがなければ起きなかった筈の悲劇であった。 周りの人々は言った、「運が悪かった」と、「誰も悪くない」と、だが彼だけは「クソくらえだ」と吐き捨てた。 父はあらゆる人々をも騙し笑顔するマジシャンであった、しかし彼は死神を騙すことは出来ずに運命に嘲笑われたマジシャンだった。その程度だった。彼はそう考えるようになり、幼き頃から抱いていた父を超えるマジシャンになるという夢は消え失せ、全てを騙し、欺き、嘲笑うマジシャンになろうと、決意し、その決意が彼の覚醒を引き起こした。 覚醒した力と彼が積み上げてきた技術により、彼の知名度と人気は爆発的に上がっていった。（オーヴァードの力は独学、マジックはそれ以降も磨いていた）世間は最初彼を悲劇のヒーローのように扱っていたが、その腕前により次第に憐れむ声でなく賞賛の声へと変わっていったが、彼にとってはそのようなものはゴミに等しかった。 数年後、彼は父が亡くなった場所で公演を行うこととなる。周りの人間はやめた方がいいと言っていたが、自分の過去との決別をつけなければならないと、運命との決着を遂げなければならないと、強行することとなる。 結果は完璧であった。何ひとつの失態 ・ 躓き ・ 過誤 ・ し損ない ・ 間違い ・ 誤り ・ 誤まり ・ し損じ ・ 謬り ・ 間違え ・ エラー ・ 落度 ・ 過失 ・ 為損ない ・ 過 ・ しくじり ・ 錯誤 ・ 過怠 ・ 失錯 ・ 誤 ・ 仕損じ ・ 失策 ・ 為損じ ・ 遣損い ・ 謬 ・ 遣り損じ ・ 仕損い ・ 過ち ・ 為損い ・ 仕損 ・ 緩怠 ・ 間違 ・ 仕損ない ・ 為損 ・ ミス ・ 越度 ・ 失敗 ・ ポカ ・ 誤謬 ・ 謬錯 ・ 誤ち...何一つとして存在していなかった。 父を超え、運命をも超えた...そう思った瞬間突如としてジャームに襲われることとなる、何が目的だったのかなんてことは今となっては誰にも分からないが、彼が襲われ、そして撃退したその事実だけが残っている。その代償としてスタッフや観客の多くが犠牲になることとなる。 彼はその時に悟った、奴隷なのだと。この世のあらゆるものは運命の奴隷なのだと、それに逆らうものは誰であろうと罰を受け、それを拒めば周りのモノが代わりを受けるのだと。 一度は全てを諦め、捨てることを考えた、だができなかった、理屈ではなかった。ただ、彼の渇望が、闘争がそれを許さなかった。 彼は再び立ち上がり、戦うことを選ぶ。 それ以降は現場に到着したUGNと協力関係を結び、ジャームとの戦うことを選ぶ。 彼にとって運命とは困難であり、困難を超え、運命をも下すことが彼の目的である。 彼にとって正義も悪も関係がない、だが今はUGNに協力している、今は、まだ。 彼が作る光の道の先に何があるのかは、運命すらも知りえない。 氷のレンズや鏡を作り、光を増幅して敵を攻撃する。光の道は全てを貫き蒸発させる。

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