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　 「浪漫と虚」HO1 HOのネタバレなどが含まれます。 異物への耐性、好意を寄せられている(25) 城戸徒針。24歳。男。 時計屋で働いている男性。肩まで伸びた髪とどこか儚い雰囲気からか時折女性と勘違いされるが、観察してみれば体付きや声から普通に男性だと分かる程度の、少々中性的な人物。 印象通りの大人しい性格。控えめで口数は少ないが会話が苦手なわけではなく、むしろ人との関わりは好む方。一人称は「僕」で、優しく柔らかな口調で喋る。 時計屋としての腕は確かで、まだ若いことも考えれば相当腕利きと言える。 彼に欠点があるとすれば、自己肯定感の低さや精神面の弱さ、そして、稀に常識外れの行動をしてしまうところだろうか。 常識外れの行動。 例えば、つい最近店に来た雪下沙代の腕時計の修理の際、こっそりとGPSと盗聴器を付けたことだとか。罪悪感に苛まれながらもそれを楽しんでしまっていることだとか。 ◆ ザザッ、ザァ、ザーザー。 ワイヤレスイヤホンからは耳障りなノイズが聞こえてくる。僕はそれを息を飲んで、鼓動を止めるほどの思いで、聴く。 音量をあげる。ノイズが大きくなる。 そのノイズの向こうに、微かに、でも確かに存在するはずの彼女の息遣いを聴くために。 耳鳴りがして、慌てて音量をゼロにする。 また没頭している。 こんなことをしてはいけないとわかっている。 それなのにやめられない。 彼女の全てを知りたくてたまらない。 ああ、どうして僕は。 スマホのカメラロールには、今日撮ったばかりの彼女の後ろ姿が十数枚。もちろん盗撮で、こんなことは許されない。許されないのに。 「…………可愛い……」 思わず声が漏れるほどに、彼女のことを愛してしまう。 僕はおかしくなってしまったんだ。いや、僕は元からこんな犯罪に手を染めるような人間だったんだろうか。そうだった。そうだったのかもしれない。 駄目だ。自分のことを考えていると気分が暗くなってしまう。彼女のことを考えよう。愛する彼女のことを。 今日は顔は撮れなかったけれど全身が綺麗に写っているから、たまには引きの構図で描いてみることにする。鉛筆を走らせて線を引く。筆を取って、真っ白なキャンバスを絵の具で汚していく。彼女を自分の手で再現するこの背徳的な行為が、最近の趣味になっていることから目を逸らしながら、絵の中の彼女に没頭する。本物の彼女には触れられないから。触れてはいけないから。 無音の部屋に僕の息遣いと筆の音だけが響いていて、それが不快だからまた音量を上げる。 ノイズが鼓膜を揺らす感覚が、やはり心地よかった。 【浪漫と虚　秘匿HO】 《HO1》 あなたはつい最近、天啓を受けたかのように愛に目覚めた。きっかけは自分でも分からない。気付いたときには、HO2を愛していた。HO2の全てを知りたいし、ゆくゆくは身も心も手に入れたい。たとえ、その愛が独り善がりなものだとしても、欲求を抑えるつもりは無い。ああ、早く気持ちを通わせたい。自分と同じくらいの愛情を向けてもらえたら、どんなに幸せだろう。 しかしやみくもにアタックしても勝率が低いことはわかる。だからこそ、あなたは多少強引な方法をとってまで情報を集めているのだ。 ・貴方には家族やそれに等しい親しい人物以外には知られていない特技がある。芸術、あるいは製作技能を趣味としてひとつ持つこと。なおその技能は初期値に+30される。 推奨技能：趣味の技能

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