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私が最初に覚えてる記憶。それはどこかの実験施設だったかしらね……そこでオーヴァードの実験があったらしいわよ。もう知ったこっちゃないし、脅すネタになったからいいけど… アダムカドモン計画。オーヴァードをいかにして普通の人間に戻すか。その時私は起源種として選ばれたらしいわよ。 そして計画は実験体が暴走して数名が生き残って凍結。…ま、こうしているもの、当時の生き残りよ。 生まれ持ってか、実験の影響はもうわからない。けど8歳くらいから頭の回転が良かったわよ……そこらへんもあったか、いろいろと教育を受けてたわ……ええ、私は元UGNチルドレンよ。 その影響で、大人に混じって平気で任務も行って。尊敬とかの気持ちの半面、妬みとかの感情を隠しきれてない状態で私を見てくるもの。 ええ、真面目に嫌だったわよ。こっちはあほな実験のせいでここまでなったって思うとね。そしてこっちも努力してるのに努力しないで嫉まれても…馬鹿らしい。 数年間は我慢してきたけど……ついには普通に口に出してくるバカもいてね。もう、ここに私の居場所はなし。消えて欲しいって言うものだから消えるための計画を立てたわよ。 そこで利用したのがアダムカドモン計画、それで霧谷を揺さぶって…まあ彼の事よ。それすらも折りこんでの話をされたとは思うけど、そこはどうでもいいわ。 そして8歳の時に死亡扱いでUGNから脱走。その後は今の名前の…綾瀬雪として探偵として過ごしていたわ。 UGNチルドレンの私が死んで2年経った頃……私は最愛と呼べる子を拾うことになったのよね。 探偵の仕事帰り、神社に何となく見に行ってた時。一人の少女が何かを待つようにずっと、ずっと座っていたのよね。 声をかけて、何かが欠落していたものだからね……一応私の事務所に連れていって、調べて父親に話しに行ったら捨てたって普通に言うものだから、ぶん殴ってそのまま引き取ったわね。 黒霧彩(くろぎりさや)。そこからのあっちでの世界では色がついたように楽しかったわ。心を読んでしまうことをダメとか言ったり、家族みたいで…温かかった。時々仕事も手伝ってくれてね……ちょっと私より調べものする能力が高くて複雑だったけど、それも楽しかった。 そして、6年の月日が経った頃。私は二人で探偵のお仕事を受けていた時に。あの事…起きちゃったのよね。 能力を隠し通していた犯人に襲われて、不意打ちもあって二人とも死にかけちゃってね……何とか倒したんだけど、どっちとももう死にかけ。けど…彩だけは生かさないといけない、そう思った時には身体が動いていたわよ。 起源種の力を彩に託して、戦っていたのがどこかの建物だったから…燃えてて。彩を外に放り投げて、そのまま私は力尽きて死んだと思ってそのまま意識が途切れたわ…… ………次に目を覚ましたのは、どっかのベットの上。身体は動かせないわ、彩の生死確認できないわ。と言うか私死んだと思ってたのに生きてるわ……何が何だか。 んで見た目が違ったけど、霧谷が来て。最初は助けられたかと思ってそう声かけるんだけど、初対面って言われて……ドッキリかと思っても、違うみたいだし。 そして色々と話を聞いて、レネゲイドが公になっていて、ヒーローがいるってところ。そして私はこの世界に呼ばれたらしい…ってね。 色々と説明してくれるものだから、一応こっちでの常識をこっちでの霧谷に話をして。そのことを聞いてハンターズって言うジャーム狩りをする組織を案内してくれたわ。 何よりここじゃ頼れるコネもなし、あるのは己の力のみ。まずは実績を作らなきゃいけないと思ってたから、私は承諾。墓守とコンビを組んで活動をしていたわ。 ……で、世界が変わっても。何かの運命なのかは分からないけど、ここに来て3年が経った頃。また、ね。あったのよ。 当時墓守と組んでいて、とある路地裏でジャームを追っていたら。一人の少女が目の前に現れて、急に襲い掛かってきたのよ。 その時は墓守が守ってくれたけど、そして邪魔するから排除しようと思ったら……彩にそっくりな少女が、虚ろな目で、こっちを襲い掛かってきたのよ。 けどね、私はその眼を一度見たから分かった。あれは本心じゃない、ジャームの衝動に呑みこまれたからじゃない、操られてるだけ…ってね。 墓守にお願いして、私はその少女と一騎打ちをお願いしたわ。当然、墓守には追ってもらってね。 少女は絶望で、心が壊れそうになって、それでも剣を振るい続けた。けど……そんな迷いを避けるんじゃなくて、ずっと受け止めてやったわ。声をかけて私は反応をうかがって、涙も流されてね… そして、隙を見て剣をはじいて。剣を突き立てた時。限界だったのでしょうね、助けて…殺してって理性が戻ってそう声をかけられたわ。 話を聞くと、目の前で家族を殺されて、身体を操られていたらしいわ…絶望の中にずっと一人で、助けてくれる人もいない。心がもう…ね。そして少女は私に対して何て言ったと思う？ 「助けて…そしてもう一人が嫌なんです。家族がいないから…友達もいない。家族になって……」 普通なら断っていたかもしれない、けどね…彩に似すぎているものだから。 「いいわよ、ただ…今ここに見えるのは夢だから、おやすみなさい…少し寝ていれば悪夢はもう終わるわ」 そう言って緊張とかの糸が切れたのか、少女はそのまんまスヤスヤと寝ちゃって。そこらへんに隠した後に墓守と合流。 追っていたジャームを殺した後、色々と”説得”して4か所のヴィラン組織を壊滅させたわ。 仕事終わって、保護して……ヴィランであることを普通に告げてくれて。その後色々とやって家族になったのはいいけど いいけど…少女がいるならこの仕事はいけないって思って。それに、数年間で実績は作ってきたからね。 ローザと交渉をして……都合がよすぎるってくらいよ。探偵をやらせてほしい。その代わりに何か裏の仕事は引き受ける事 それを条件に私はハンターズを脱退。今は…こっちでも探偵をやっているわ。 ちなみに少女の名前は茅埜（ちの）。多分茅埜を助けたのも、私がこっちに来るときの事件がきっかけなのよ…もう零さないってね。

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