タグ： カガヨミ白面の章

　 　蛍島に住む男子高校生。 　弱いのか強いのか、よくわからない眼鏡男子。 　演劇部に所属している2年生だが、実家の手伝いやアルバイトのためよく欠席しており、本人そのものについては影が薄い。 　モノ作りや修理が得意であるため、部員からのリクエストに応じてそこそこ本格的な舞台装置や小道具の類を作製するなど、時間を見つけて裏方仕事を担当している。 　ときには凝りすぎたあまり、周囲の人間からドン引かれることもある。 　父親とその祖父は漁師、母親は林業従事者で、その祖父はマタギ猟師という、見事に第1次産業で固まった家系の子ども。 　弟とふたりの妹がいる長兄であり、普段は真面目で穏和で物静か、人にも動物にも虫にも優しいおっとりした性格の持ち主だが、 その性格と長兄という立場も相まって、ストレスを抱え込むタイプでもあるため他人への怒りの発散を苦手としており、むしろキレるより塞ぎこんでしまうタイプ。 　彼も含めると4人兄弟であるがゆえ、家族一丸で努力しているものの、なかなか金銭面において苦しい生活を送っている。 　そのため貧乏性が目立つし、不満も感じているが、賑やかな家族の営みにはありがたみも覚えており、まだ高校生ながらも慎ましやかで非常に所帯じみている。 　幼いころから両親や祖父母の手伝いをしてきたため、農作業や船作業には手馴れているが、同時に嫌気が差しており卒業したら別の道に進みたいと考えている。 　そのため、島の外でも働けるよう整備士を目指し、必然的に機械いじりが好きになった。 　高校生になってからは、島の小さいながらも数少ない車両整備工場や、漁港の船舶修理のアルバイトをしており、家計の助けをしている苦学生でもある。 　ただ、生まれながらに極度のビビリ癖を抱えており、何事もほぼ必ず怖がり、どんくさく、つまずき、失態を晒して尻込みしてしまう悪癖がある。 　これに加えて、苗字と名前の組み合わせの矛盾さを揶揄されるのが常になっているが、やる気に火が付きさえすれば地味に行動力があるため、 臆病だが卑怯者ではなく、怖がりではあるものの逃げ腰にはならない。 　むしろ根性はあるほうだが、他人からはなかなかそうは見えず、褒めてもらえないのが密かな悩みでもある。 　その例として、親には内緒でコツコツ貯めこんだ給料の一部で免許を取ったうえ、近所のヤクザめいたお爺さんにお願いして譲ってもらった壊れていたオートバイを、 自分で直し復活させて乗り回しているなど、やる気に火が付きさえすれば地味に行動力があったりする。 　くわえて、良くも悪くもハンドルを握ると、どこぞの白バイ隊員よろしく人格が正反対に豹変するなど、底知れぬ可能性（？）を秘めている。

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