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経理のおばちゃん。自分のことを「みちるちゃん」と呼ぶ。 某大阪の街に住んで早40年、うら若きみちるちゃんはみちるおばちゃんになった。 そんな彼女がこの群雄割拠の某大阪で学んだことは、アメちゃんを使って笑顔で諭せばだいたいのことはなんとかなる、という哲学だった。アメちゃんは核兵器。 お嬢様高校を出てから就職するまで数年のブランクがあるがその間彼女は走り屋だった。 時代考証度外視のオーパーツ「カワサキ　ニンジャH2R」に跨り、風も、音も、光さえも、彼女は追い越していく。 文字通り光陰矢の如し、気がつけばみちるちゃんはアラサー（時代考証度外視）であった。 みちるちゃんは愛車に別れを告げ５０年契約のトランクルームに封印すると、 ひとりのOLとしてのキャリアをスタートさせた。 この某大阪の街の、灰色な歯車の一つとして・・・。 けれどもみちるちゃんの胸のエンジンは密かに滾り続けている。 みちるちゃんはハンドルを握ると、低気圧の中を大地すれすれに飛びかすめるツバメのような黒々とした目をとりもどすのだ。 新たな愛車「アルベルト」とともに、みちるちゃんはいつか来る物語に備えて、 今日も静かにアジの開きを値切っている。 ■経験シナリオ 山小屋から生還した

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