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錫根・天乃は魔法少女である。 かつては炎と影を自在に操る、割りとありふれた魔法少女の１人だった。 しかし、一年程前、突如として異変が起こる。 魔法を使うと体の一部の異形化するようになったのだ。特に左目の異形化が顕著で、虫のような、蛇のような、もはや別の生物と化している。 しかも、自身の使う魔法はこの異形を通して発動するようになりもはや自分で魔法を使っているのか、この左目の異形が魔法を使っているのかよくわからない状態だ。 人生経験が豊富で魔法少女にも詳しい師匠もこの現象は解らず、腐れ縁と化している白い宇宙生命体も「興味深い」と言うだけでよく分かっていないようだ。 だから私は、この左目の異形の情報を探すために世界を巡っている。 今の戦闘スタイルは左目の異形で攻撃を行い、本体は異形で補助しながら回避に専念するというもの。元々はカッターナイフのような剣から炎と影を射出していたが、異形を通してしか魔法を使えなくなったので剣は使わなくなっている。 異形とは視界を共有しており、初めは多いに戸惑ったが、今では自身の状態を正確に把握できる視点として活用している。 炎鈴の魔獣 その名は「憎悪」 この魔獣は自らの根元たる感情を疎ましく思い、他者に擦り付けようと炎と影を撒き散らす。 この炎鈴の熱に炙られた者は、憎悪の炎で燃え上がると言う。 しかし、いくら擦り付けても心の奥底から振り撒いた感情が沸いてくるためこの魔獣は常に苛立っている。

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