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　『ドック・アンド・マーダラー』 PC5　ロイス：梨里　徳昭　遺志/侮蔑 君の目前で、弟分が当て逃げされて怪我を負った、相手はバカ高そうな高級車。 そのシートにふんぞり返るように座っていた偉そうな面は、君でも知っている大物政治家だった。 だとすれば、君が何を叫ぼうが誰も耳を貸さないだろう。 だが、なめられた以上落とし前を付けねばなるまい。 　黒髪黒目の聖徳館高校に通う２年生。報復とお礼は必ず行う事とクソ野郎は必ず叩きのめす事を信条にしている。 格闘技術による腕っぷしの強さは２年生の中でも指折りだが、特定のグループには属していない。 ３年の浅井、２年の上野谷との呼び声が高い（舎弟談） 貧しい家に生まれて１２歳の頃に親は蒸発して、残った弟と二人で生きていく事となった。翔輝はできる限りの労働あるいは悪事を行い弟を養っていたが、弟は生まれつき体が弱く徐々に弱っていった。 　ある日「我々の研究の被験体となるのであれば、その子を治療してやろう。」と持ち掛けたスーツ姿の男が現れて、翔輝は悩んだ末日に日に弱っていく弟ために被験体となった。 　被験体の日々は薬物による苦痛と実験と称した動物か被験体同士での殺し合いであった。それらに耐える又は勝利すれば「素晴らしい」と褒めちぎり様々な物を用意してくれた。本当は弟に会いたかったが「被験体の体調が外で悪化した場合の対処ができないため外出を認められない。」と言われ連絡すら認められなかった。仕方ないので次回も勝てるように格闘技と勉強を教えてもらうことにした。 　そして３年ほどが過ぎて「これが最後の実験だ。見事に耐えて見せたまえよ。」と最後の薬を投与された翔輝は、激しい痛みと苦しみが襲うが次第に収まる代わりに熱が、炎が体から噴出していた。 「おめでとう、これで君もオーヴァードへとなった。我々の一員だよ。」 オーヴァードとなった後は、組織の属し仕事を行えば衣食住は保証するし弟の生活も保障すると言われ渋々組織に入る事となった。 仕事は実験台の後始末や敵対勢力の殲滅だったけれど苦ではなかった。何よりも弟にたまに会えることが嬉しかった。 　順調に仕事をこなし聖徳館高校で要注意人物と新しい被験者の勧誘する事を任され、足が付かないよう別の戸籍とその自宅を用意された時は面倒ごとだと思う以上にもしかしたら弟と生活できるのではと期待した。 　ある日、俺のもとに都築京香が訪れて「貴方の弟さんはもうとっくに死んでいて、今の弟さんは顔を変えた別人よ。証拠の資料もあるし、嘘だと思うならこれを使いなさい。」と言い紙束とリモコンのような装置を貰った。 　資料には弟は俺が被験者になった少し後に実験台にされて、被験者である兄の敵として戦い見事撃破されたと書かれていた。余りのことに呆然としたが、すぐに弟を人気のない所に呼びその装置を使った。 　変身が解けて狼狽えたそいつをすぐさまに半分壊してやった。そいつの懇願からどうして弟の振りをしていたかまでを一から十まで聞きブチ殺してやった。 　代用品を消し炭にした後、組織を強襲し研究員からガードマン果ては邪魔をする被験者まで殺し壊し燃やした。その場にいたやつらは殺しつくしたが明らかに少なかった。組織の資料をあさり繋がりのある場所と人物を探し出しては強襲し殺し、また探しては強襲した。目ぼしい場所も探し出し、見知った奴も見たことすらない関係者も全員ブチ殺した頃にまた彼女がやってきた。 「あら凄い、小規模の研究組織とはいえほぼ壊滅させるなんて。」ほぼだと？まだクソ共が残っているのか。 「ええ、彼らは上部組織のに居るわ。と言っても場所までは判らないわよ。」そーかい、だが名前さえわかればいずれ見つけ出す。 この礼は必ず返す。アンタにも彼奴らにもだ。 　それから組織の各所から金目の物を集めて売り払い学校生活を続けている。少なくとも戸籍と家は彼奴らが用意した物であり、聖徳館高校にも幾人かの要注意人物に指定された奴がいる。動きがあるならここら辺からだ、それまでは力を蓄えて待ち続けよう。 車に当て逃げされる舎弟 日下部　凪咲（くさかべ　なぎさ） 聖徳館高校１年生 身長174cm　 スポーツ女子　部活はバトミントン部だった。 翔輝に助けられてから付きまとう様になった。 翔輝の身長が自分より少し高いのが地味に嬉しい。 しつこく絡むと渋々格闘技を教えてくれる美味しい先輩だと思っている。

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