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9c27b0 ドロディスHO1「届人−トドケビト−」 政治家一家の元に生まれ、恵まれた環境で育つ。だが彼にとっては最悪な境遇にしかすぎなかった。近寄ってくる人間は皆へつらう者ばかり。親の地位を知って媚を売る者。金を目当てにすり寄ってくる女。勿論本当の友人なんてものは存在しない。本心から友好関係を築こうとする者がいないことを、遙は気がついていた。自分の察しの良さを憎んだ。いっそ何も気がつかない馬鹿共が羨ましい。 媚びる為なら平然と嘘をつくのが人間だ。そんな人間が唯一本心で綴るものこそ「遺書」である、と祖父の葬儀で知ることになる。(僕から言わせて貰えば貼り付けたような)笑顔が印象的だった祖父だが、「遺産は誰にも譲りたくない、私のものだ」という遺書の内容に、皆戸惑い、怒りの表情を見せていた。その中で遙はひとり感動の涙をこぼした。美しい。死の間際、最後に残したいと思う言葉にこそ人間の本音が込められるのだ、と気がついた。それを堺に遙は遺書に強い執着を持つ。歩き働き生きる肉の塊はただのハリボテにすぎない。彼は思う、遺書こそがその人物そのものなのだと。 表向きには心理カウンセラーをしている。遺書屋の仕事上不都合なことが起きると父をも脅し、もみ消して貰うことも。父の頼み(殺しや脅し)を聞くこともあるので利害関係にあるともいえる。 誕生日:12/20

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