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●「幾つもの世を越え橋を渡り、やがてたどり着いた美しい櫻の木の下には、きっと 屍体が埋まっているのよ。」 女　一人称『私』 ディレッタント 顔面に酷い火傷の跡があり、包帯を巻いて隠しているが大きすぎて隠し切れていない。 原因は幼い頃に産後鬱でヒステリックを起こした母親によるもの。 「お前なんていなければ」という魔が差した結果、顔への暴行。加えて熱湯を浴びせられた。 当時は生死の境をさまようほどで、その後も大きな遺恨を残した。 恐ろしいまでに従順。従者にすら従順。言われたことはなんでもするし抵抗はない。 疎まれることについて、「わたし、なにもしていないのにな」という想いを持ちつつも、抵抗したって仕方ないので、大体諦めている。 周囲から疎まれ、従順であることに何も想わない自分。目的も持たずただ生きている。 う～ん、なんだか、これって…私、生きている意味、あるのかしら。 ※そもそもとして、純粋に生きている意味を今の状況とこれまでの人生に見いだせていない。 そんな彼女にとっての『例外』は，従者のこと。 従者と過ごしている館での日々は、あくまで死ぬための準備期間。 「あの人も一緒じゃないと死んでやる」と父に初めて刃向かったあのときから、それは始まった。 従者だけは絶対手放さないし、従者に危害の及ぶことは絶対に承諾しない。 世界を敵に回してもいい。私があの人を手放すことは未来永劫ありはしない。 ずっと側にいてほしい。共に心中したい。 （受け入れてもらえないことも考えているが、この館から出ることは許さない。 死ぬまでに時間がかかるだけで、ゆっくり心中できるね。） 「ねえ、一緒に死にましょうよ。一緒に死ねば、その後だってきっとずっとそばにい られるわ。」 私たちの息が止まるまで、心穏やかに過ごしましょう？

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