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「仕方がありませんわね。少々手荒な手段を取らせてもらいますわよっ！」――“マスターレイス 11”セレン・イングリッド マスターレイスの１人。現在は素性を隠し、アカデミアの生徒として活動している。 美しいブロンドと美脚が特徴的な高等部１年生。文殿寮で暮らすオーヴァード生徒の１人。 学内ではマスターレイスを名乗らずに、自身の最高兵装である“エンキドゥ”をコードネームとしている。 コンプレックスは背が低い事。非常に気にしている。 好物はたこ焼き。 礼儀を重んじ、規律を重視する生真面目。直情的であり物怖じをしない気の強い性格をしている。 だがその一方で四角四面で融通の利かない部分があり、ほかの生徒と衝突する事もしばしば。 ひょんな事から学園で起きた事件に首を突っ込んだ事をきっかけに、気付けば無道ささきによって一番隊に引き込まれてしまった。 その性格からブツブツ文句を言いながらではあるが、気づけば番長連の１人として日々学園の治安の為に活動している。 一見、完璧主義のようにも見えるが『朝に弱い』『トマトが食べられない』『虫が苦手』など実態は隙だらけである。 ――本人は決して認めようとはしないが。 そして最大の弱点として『惚れやすい』がある。端的に言えば『チョロい』 異性、特に同年代との交友関係が少なく耐性が無いために、傍から見れば何気ないきっかけであっさりと惚れる。 しかし相手は当然ながら何の覚えも無いために、セレンだけが一方的に意識して終わるのが常である。 そしてその度にセレンは失恋したと思い込んでいる。 FHとしての目的も、マスターレイスとしての目的も不明。 アカデミア内に潜入しているFHでさえ、セレンがマスターレイスだという事を知っているのは極僅かである。 試験などでもその能力を完全に発揮する事は無いため、普通のオーヴァード生徒として認知されている。 マスターレイスの称号はコードウェル博士がFHに帰還してから与えられたモノ。 コードウェル博士と血縁関係は無いがコードウェル博士の事は「お父様」と呼び、慕っている。 セレンが望む世界の変革は“超越者の世界” ――『オーヴァードが幸福に生きる世界』である。 その点でセレンがオーヴァード・アカデミアを訪れたのはある種の必然だったのかもしれない。 しかしセレンの目的はそれだけではないようだ。 未確認ながらアカデミアに存在すると言われる遺産 ――もしかするとセレンはインフィニティ・コードを求めている、のかもしれない。 知る者は極少数だが東欧の小国『クロドヴァ公国』の出身である。 リエラハザードにより覚醒したハザードチルドレンの１人である。 兄と両親を喪った戦災孤児でもある。 覚醒直後に誘拐され、少女兵として捨て駒同然に過酷な戦場で生きる事になる。 オーヴァードである事を理由に地獄のような戦場を渡り歩くが、その能力からボロボロになりながらも生き残ってきた。 上官である兵士に暴行されそうになった際にエフェクトを使い抵抗、殺害している。 それ以来『オーヴァードとヤるとレネゲイドに感染する』という噂が広がった為に自軍からさえも冷遇される。 生きる気力も無く希望もなくただ惰性で戦場を生きていたコードウェルが現れたのはセレンが11歳の時だった。 その日を境にセレンの所属していた傭兵部隊は壊滅、セレンの消息を知る者は途絶える。 戦闘では戦闘用三脚式強化外骨格『エンキドゥ』を装着して戦う。 生体部品を多く使い、装甲性能を損なわないままに生身のような動きを再現する事が可能である。 また腰部から生える尻尾状補助脚を自在に使い、重心を制御する事で機動性と柔軟性を兼ね備えている。 その戦闘能力はFHで独自開発されている多脚戦車スチールギガントを単騎で圧倒するとまで評される。 しかしエンキドゥは非常に高性能ではあるが、装者に多大な負担を掛ける。 その為に現状ではセレン以外にエンキドゥを乗りこなせる者はおらず、実質専用機となっている。 セレンは日常生活ではモルフェウスシンドロームの能力を使い、小型化して持ち歩いている。

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