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正直「どうでもいい」んだよ るるぶ：医者ベース 能生　梨子の所属する暴力団で雇われ医者として生計を立てている、いわゆるヤブ。 元々は有名国立医大を卒業し、そのまま国立病院にて外科医として邁進していた。 30歳になるころには研修医を卒業して一端の医者として業績を残し、私生活では美人の嫁と子供を作って傍から見ると勝ち組の生活。 ところが、数年後病院の派閥問題に巻き込まれ、医療事故の冤罪を負わされ病院を追われる。 また、私生活においても仕事一筋で家にまともに帰らなかった間に妻に間男ができており、托卵されていた。 自分の子供だと思って育てていた子は自分の子ではなかった。 自分の生きがいだった医者という職業を追放され、家族に裏切られた門良が行き着いたのはヤクザの一歩手前の暴力団での医者の紛いごとである。 法に守られない人間たちを治療することで、金を得る。 善良な市民を必死に助けて得た金と何が違うのか。 所詮人間なんて、いいも悪いも変わらない。 モノとして見てしまえば何ということはない。 「どうでもいい」男には生きがいなどいらないのである。 勿論病院で嵌められた経験から、笑顔は絶やさない。 温厚な声と笑顔をしていれば、面倒事は起きないのだから。 ・・・・・・・・・・・・・ 最近ここに新しい子が入ってきたようだ。 私にもニコニコしながら話しかけてくる。 どうやらここがどんな人間の集まりか知らないらしい。 よく怪我をしては、私のところへやってくるので嫌でも顔を覚えてしまった。 暴れたりぎゃあぎゃあうるさくない分他のやつらよりは気が楽だ。 治療さえすれば、誰であろうが金はもらえる。 彼女がいつどこで死のうが私にはどうでもいい。 だが、彼女の治療をしている間は昔に戻ったような気がしなくもない。

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