タグ： うみかれ

多分、父は私が産まれた時からいなかったと思います。母に父のことを聞くと、顔を青くして｢お母さんが守ってあげるからね。」と言って抱きしめてくれました。 抱きしめて欲しくてわざと父のことを聞いたこともありました。 母は絵を描くのが好きな人で、よく私や、近くの海や空の絵を描いていました。私が絵を描くようになったのは母の影響だと思います。 私が7歳の頃に母は買い物に行ったきり帰って来ませんでした。 ずっと帰りを待っていたのですが、気づいたら病院のベッドに寝かされていました。 私は身寄りがなかったので孤児院にお世話になることになりました。私の容姿は目立ったようで、よくからかわれたり、嫌な事を言われたりもしました。 ある日、老夫婦が私の事を引き取ってくれました。2人は私の事を本当の娘のように大事にしてくれました。とても幸せだった。私の描いた絵をみて凄く喜んでくれて、2人の笑った顔が好きでした。 でも私が12歳の時に2人は交通事故でなくなりました。私はまた1人になりました。 それからは老夫婦の親戚と言う人に引き取られました。 あまり、覚えていません。ただ、男の人の目や、声や、手が、怖くなりました。 今の父と母に引き取られてから私はずっと働いていました。接客のお仕事でした。男の人は怖くて嫌だったけど｢顔しか良いとこないんだからこの仕事しかさせられない｣と言われたので一所懸命働きました。 仕事がお休みの日は海へ行って絵を描いていました。海や、空は私が幼い頃から変わらずに綺麗でした。 時々胸が苦しくなって、悲しくないのに涙が出たり、腕に爪を立てたり、刃物で傷をつけるようになりました。なぜだかそうしていると、落ち着いたんです。 もちろん、母と父には見つからないようにしました。怒られるのは怖いから。 1ヶ月前、母が私に縁談を持って来ました。わたしの容姿を気に入ったそうで、母も父も嬉しそうでした。 相手の男の人はお金持ちでとても乱暴な人だと噂をされている人でした。女性を物のように使い捨てる人だと。 私は売られたのでしょう。母も父もお金が好きだから。 神様、ごめんなさい。もう疲れてしまいました。 私は普通の人生がよかった。 運命は自分の手で変えるものだと誰かが言っていたけれど、私はそれができるほど強くはありません。 これでも、頑張ったのです。 前まで好きだった絵も描く気力もないのです。 いつからか楽しいや嬉しいがわからなくなってしまったのです。 どうか、せめて、まだ海が綺麗だと思えるうちに、この人生を終わらせることを許してください。 [補足設定] 学校へは中学まで行っていたが高校は中退。それからは昼も夜も働いている。 引き取り手が変わるたびに学校が変わっていたので、友だちはほぼいない。 異常を察した人が声をかけてくれることもあったが、自分の問題に人を巻き込みたくないし、告げ口がばれるのが怖かったので悩みを話すことはしなかった。 縁談は無理矢理進められ、1ヶ月後には結婚させられる予定。 相手の男は52歳、裏社会でも表社会でも有名な人物で、警察にもコネを持つため、今までの妻が不審な死を遂げていてもスルーされている。 職業技能…ホスト、ホステス(2015) 特徴表4-3 異性が苦手 異性に対する言いくるめ、説得、信用に-10 追加p 1d6×10=20 うろこの髪飾り

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