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ドロップアウトディスパイア／HO1 物腰柔らかで世話好きな青年。好事家な一面があり、遺書に限らず他人の書いた文章を読むことが好きで隠れ家の空間の八割が書斎と化している。 言動も常に穏やかで「争いごとは苦手なんだよね」が口癖。常に裏社会の住人には見えない振る舞いをしている反面、依頼の際は殺しに微塵の躊躇いもなく、相手に情け容赦は一切かけない。 元は1人で殺し屋業を営んでいたが、今は数年前に路地裏で拾ったHO2と共に遺書屋を立ち上げた。 HO2のことは弟のように大切にしている。 ○生い立ちと過去 医者家系の長男として生まれ、将来は立派な小児科医になるはずだった。しかし、父親が重大な医療ミスにより患者を死なせてしまったことから遺族たちに莫大な慰謝料を要求され、病院の経営は立ち行かなくなりやがて精神的に追い詰められていった。両親は彼を残して心中を図り、残ったのは多額の借金だけだった。 --------ｷﾘﾄﾘ線-------- 遺書……真っ白な封筒の中にシンプルなデザインの便箋が1枚。裏側にはキャッシュカードらしきものと通帳が貼り付けられている。 ▼以下、内容 トウマへ これは遺書です。 もし僕の身に何かあった時、君が困らないようにいくつか大事なことを書き留めておきます。手短に済ませるから最後まで目を通してね。 まず1つ目、この便箋の裏側に貼り付けてあるカードと通帳を確認して下さい。暗証番号は君の誕生日です。但し、使い所はしっかり考えるように。 2つ目。遺書屋の今後に関しては君の意思を尊重します。この界隈に身を置くのも、足を洗って真っ当な世界に戻るのも選択の1つだと思います。君が後悔の無い道を進めるよう願ってる。色々と面倒を任せちゃってごめんなさい、よろしくお願いします。 事務的な遺言は以上です。 ……最後に。この手紙を読んだら直ぐに破棄して僕のことは忘れてほしい。君は君の幸せの為に生きていくんだ。遺書の言葉は差出人が死んでもずっと残り続ける、生者を縛る厄介な枷だから。きっと、これから先の人生を歩む君には邪魔になる。届人だった僕がこんなことを言うのはおかしいかな？矛盾してるのは自分でも分かってる。だけど、君との生活は僕の暗い半生の中で唯一の光でした。本当にありがとう。 ︙ うーん、遺書屋として今までたくさんの遺書を届けて見てきた筈なのにいざ自分が言葉を残すとなると難しいや。もっと君に伝えたいことがあった気がするのに。まぁ、いっか……あまりに冗長過ぎるとそれも未練がましいな。 とりあえず一足先に彼処側で待っています。 あ、でも僕は多分地獄行きだから君にはもう会えないかもしれないけれど……なんてね。 積もる話はまたその時にでも。 彼方 夕宇

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