タグ： きしちゃん

性質：傍若無人・飄々 本性：寂しがりや・独占欲の塊 地雷：自分の物を勝手に使われる・汚れる 　幼い頃にぼっとん便所に落とされた経験から、汚れること、そして汚い物が大の苦手となった。 　なぜそんな場所へ落とされたかと言えば、母子家庭が故に周りから典型的ないじめを受けていたという理由があるのだが、これに関してはきちんと教師に申告して解決している。 　むしろいくつか脚色を加え、相手方を転校させることにまで成功したのだが、これはまた別の話。 　 　人間関係を煩わしく思う程度には、人付き合いが苦手だった。 　中学校へ進学してからも友達はできず、というか作ろうともせず、本の世界に没頭する日々。 　そんな中でも強制的に参加しなければいけない部活動が、彼を苦しめる。 　運動部ばかりが揃う学校に入学した自分を恨みながら、千秋は渋々柔道部を選択した。 　どうせなら自衛の手段となればいい――そう思った結果である。 　部活動となると先輩との付き合いが発生するわけだが、そこで知り合ったのが「吉四六」という珍しい苗字の男だ。 　彼は変わろうと努力している人間だった。 　文学的な表現を使うのであれば、決して優しくはない世界に抗っているような人間だった。 　千秋は彼に興味を惹かれ、付いて回るようになった。 　真正面から慕うことは照れくさくてできなかったが、何かとちょっかいを出してはからかうことが千秋の日課となる。 　しかしそれも、先輩の卒業と共に終わりを告げた。 　時は流れ、千秋は大学へと進学した。 　やることがなく勉強ばかりしてきたからか、かなり名のある大学へと進むことになる。 　そのときにはすでに暇つぶしとして書いた推理小説が出版へと至っており、学生と作家の二足の草鞋を履いていた。 　このまま大学を卒業し就職するもよし、作家として生きていくのもよしと考えていたところ、一人の女性と出会うことになる。 　彼女からは、不器用な匂いがした。 　それはどことなく中学時代の先輩に近く、興味が惹かれるのは自然なことだった。 　表向きは「小説のネタにする」とわがままを言い、彼女の隣を確保した。 　本音は、危なっかしくて見ていられなかったからだ。 　もちろん小説のネタにするというのも本当だし、実際経験を基に作品を書き上げている。 　 　彼女と関わり探偵業を手伝ううちに、かつての先輩である「吉四六」とも再開する。 　彼と彼女が同じ学校の同級生だったことには多少驚いたが、それもまた柄にもなく運命を感じた。 　この二人と共にいれば、まず退屈などしない。 　そう確信し、千秋は今日も二人をからかいつつ、その仕事を手伝うのだ。 　

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