タグ： オレンジの片割れ

星希蜜柑(ホシキ・ミカン) 一人称：私、二人称：あなた。口癖：「...最悪」 高校3年生。青春高校在学中。 顔が良く、スタイルも良いが、いじめのせいで、身体にはいくつもの傷ができてしまっている。 しかし、相談できる相手もいないため、ずっと一人で抱えて生きてきた。 元々メンタル自体が弱いわけではないが、限界が近くなってきていることを感じている。 趣味：天体観測。 夜、星空を眺めている時間が、彼女にとって唯一の心を落ち着かせられる時間である。 星について、もっと詳しく、もっと好きになりたいと思い、星座図鑑を持ち歩いている。 また、星や星座が題材として出てくるような小説もよく読んでいる。 特技：メイク。 化粧はもちろんのこと、身体の傷や傷跡を隠すことにも使うことがある。 周囲から見ただけではわからないくらいには綺麗に隠すことができる。 将来の夢は現在のところ特に考えていない。 どちらかと言うと、未来のことを考えられる状況にないといった方が正しいかもしれない。 幼い頃は両親ともに優しく、周囲から見ても幸せな家庭で育っていた。 しかし、小学生の頃に父親と母親が離婚し、母親に引き取られることとなった。 原因は父親の浮気だった。 職場の同僚と関係を持ってしまい、その事実を母親が知ってしまったのだ。 そして、離婚を機に母親は変わってしまった。 「あの人が自由にしていたんだから、私にも自由にさせてよ。」 そう言って、時間を問わず遊び歩くことが多くなった。 さらに、彼女は父親似の蜜柑にその面影を感じて、蜜柑に対しても以前のような優しさを見せてくれることは少なくなった。 それでも、小学校を卒業するまでは、母親も多少は面倒をみててくれてはいた。 中学に入学してからは、そうした行動が加速し、蜜柑には全く目をかけてくれなくなった。 最低限、高校の授業料は支払ってくれているようだが、他に母親らしいことはせず、家事も基本的に彼女が行っている。 そのため、学校から帰ってきても家で一人になることが多い。 蜜柑はいじめを受けている。 きっかけは些細な事だった。 蜜柑が告白してきた男子を断ったことがあり、それを見た同級生の女子が不快に思ったのだ。 その女子はその男子のことが好きで以前告白したことあったのだが、断られていた。 「私は振られたのにあの子は告白されて。なのに、断りやがって。」 「ほんとにむかつく」 運悪く、その女子はクラスのリーダーだったために、あっという間に周囲全員が敵になった。 最初は蜜柑への陰口や机の落書きなどから始まった。 次第に内容はエスカレートしていき、蜜柑の身体を傷つけるようなものばかりとなった。 私は何もしてないのに。 なんでこんな目にあわないといけないの。 こうして今日も蜜柑は苦しんでいく。 蜜柑には大切な宝物があった。 小さい頃に両親にねだって買ってもらった天体望遠鏡である。 その望遠鏡を使って、家族3人で天体観測をする時間が本当に大好きだった。 そして、幸せだった頃の家族の思い出が詰まっている唯一の物でもあった。 この望遠鏡があれば、いつかまた家族3人で笑い合える日々を取り戻せるのではないかと信じていた。 ある日、蜜柑が憂鬱な学校から帰宅すると、望遠鏡はなくなっていた。 最初は驚いた蜜柑だったが、嫌な予感がして、急いで母親を探す。 家にはいないようで、スマホを取り出して電話をかける。 複数回かけた後、ようやく電話が繋がる。 「私の望遠鏡、どうしたの？」 すると、母親は淡々と答える。 「ああ、あの望遠鏡ね。あれなら今日売っちゃったわ。」 「お金が必要になってね。でも、元々私たちが買ったものだし文句ないわよね。」 「そんなことで電話なんてかけて来ないで。」 それだけ言うと、母親は電話を切った。 あまりの身勝手さと不条理さに、蜜柑は啞然としてしまった。 どんなにつらいことがあっても、星空だけが自分の救いだった。 たったひとつの平穏だったのに。 たったひとつの宝物だったのに。 しばらく立ち尽くした後、絶望に満ちた顔で決意する。 「こんな世界にいるくらいなら死んでやる。」

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