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花田　去 (ゆき) (22) ♂ 職業:登山家 #2C6ABA ビレイ:85 花田みらいの双子の弟。ほぼ同一の風貌に正反対の性格、でもふたりは常に一緒だった。あの暴力的な山嶺はそんなふたりさえ引き裂いた。 名前のかわいらしさで勝手に期待をされがちだが、男。ゴリゴリの男。ひしめきあう脳細胞たち、頭中がキレている。 奔放すぎるみらいの監視係はいつも彼が務めていたため、ただただ真面目に実直に育った。 みらいが登山に魅了されてからは2人で登ることがしばしばあった。そこから山岳信仰に興味を持ち、自然崇拝研究の権威ともいえる名門大学の教授のもとで学び、首席で卒業し、登山家となった。 数多の経験で山の恐ろしさについてより理解した彼は、軽い気持ちで臨もうとするみらいに必ず付き添うようになっていた。しかし、狂気山脈、これだけは違った。みらいのサポートはおろか、自分自身が登頂できるイメージすら湧かなかった。それに加えてみらいのつい先日作ってきたこの大きな傷！誰が共に行けるものか、誰が笑顔で送り出せるものか…。彼は憤怒した。自分の意思をへらへらと突き通す様子に呆れた。「登れるもんなら登ってみろ、馬鹿野郎が…。」 みらいは本当に馬鹿野郎だった。そして自分は大馬鹿野郎だった。あいつを止めてやれたのは自分だけだったのに。みらいに、山に、自分に、次第に悔恨は積み重なっていった。そして来たる第三次登山隊募集。行かないわけがなかった。 暗い過去を断ちたい。明るい未来に救われたい。

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