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脳神経外科医を勤める医師。 優秀な頭脳を持っている秀才。 元々、脳という未知の機能に非常に興味津々だった。 幼い頃から優秀で、両親も裕福だった彼女は、どんどん才覚を表していく。 祖国に貢献するために医者になろうと考えていたが、その中でも脳神経外科医を選んだのは、単純に脳という機能に憧れと興味があったから。 しかし、優秀な脳神経外科医で大学も飛び級で卒業するほどの頭脳を有していたが、秀才どまりで天才の素養はなかった。彼女の脳みそには、秘められた才は無い。 彼女の周りには多くの秀才と、両の手以上の数の天才がおり、その輝かしい知識とひらめきの華々しさを目の当たりにして、日々打ちのめされるばかりだった。 そのため、自分に自信を持てない彼女は、やや陰湿で神経質になっていく。 しかし、自分のそんな気質を自分で理解しており、脱却しようと足掻いていた際、ふと目に留まった美術展に足を運ぶ。 そこで彼女は日本人が描いた油絵に強く引き付けられた。 街と空を描いたその風景に心ひかれた彼女は、その芸術家が日本にいると知り、何となく日本にあこがれるようになる。 20歳で大学を卒業し、脳神経外科医として医療の道へ進んだ彼女は、レジデントとして日本で研修医となる。 そしてそのまま、日本に居留することを選んだ。 彼女は今、都内のマンションで一人暮らしをしている。 日々忙しく、研究と治療に専念するかたわら、時折、上野へ足を運んでは、人を魅了する美しい芸術展に赴いている。 灰色の脳細胞が描く強烈な才覚の根源を、いつの日か、解明したいと思っている。

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