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祇武靜渦は古式武術「祇武流」の21代目当主の兄。古式武術「祇武流」は、起源はさかのぼると室町時代ともいわれる古式神楽「祇武之舞」を源流とし、後の戦国時代を経て変容した。舞のような武術で滑らかに変容していく気の流れと、素早い体勢変化と攻撃が特徴である。「肆拾之迅ト漆之俊ヲ以テ肆撃之内ニ隙ヲ穿ツ」の教えのとおり、電撃のような素早い一撃は、武を修めた者でさえ対応することは困難であると言えるだろう。そんな「祇武流」の20代目当主である父、祇武斬燈（しぶきるひ）の長男として生まれた祇武靜渦は幼少期から武の才能を開花させ、周囲の期待を一身に背負っていた。しかし小学1年生の時、大型トラックにはねられ瀕死の重傷を負う危機を負い、上下肢機能障害七級程度の障害を負い、以後日常生活を送ることすら困難が生じることとなった。そんな体となりながらも祇武流の習得に励み、34歳の時、免許皆伝へ至る。普段は車いすで生活しているが、道場において彼の舞武を見たものは、その虚弱さを感じることはない。

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