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饕餮(トウテツ) 中国神話に登場する怪物、四凶の一つとされる。 財を貪り、食物を貪り、魔すらも喰らう猛獣。 至って普通の、どこにでもいる高校生だった。潜在的なオーヴァードであるとかそんなこともない、ただのありふれた。 覚醒のきっかけとなったのは『連続通り魔事件』。彼自身が標的であったのか、それとも偶然だったのか、それは定かではない。 ただの一般人であった彼になすすべはなかった。身を挺して守った少年がいなければ、覚醒などする間もなく死んでいたかもしれない。 彼を守ったのは、不良少年として多くの同種の者や極道の者をも退けたといわれ、誰からも恐れられる、独りの虎だった。 虎は凶刃により大怪我を負ったが、それでも心までは砕けていなかった。 彼は虎の闘志に奮い立てられた。心を、そしてレネゲイドを。 そして、彼は一人の剣士となった。その彼が振るう剣には、鶯の瞳をした虎が宿っているのだとか。 N市公立高校に通う高校二年生。剣道部にて部長を任せられている。 学力は上の下程度。一応理系にあたる。運動に関しては球技はからっきし苦手、かといって陸上競技や水泳が出来るわけでもない。 ただし動体視力と反射神経は人以上にあるので使い方がわかってないタイプの運動音痴。 剣道の腕は地方大会では負けないが、県大会まで進出するとだいたい予選敗退といったところ。 剣道家ということで芯が通っており、筋は絶対に通す。嘘をつくのはあまり得意ではく、すぐ顔に出る。 自分が弱いことを自覚しているが、逃げることだけは絶対にしない。変なところが頑固であるとみられがちだが、譲れないものがある時には絶対に引かない。 八幡泰河については覚醒以前は近付きたくない隣のクラスの同級生といった認識であったが、現在は彼のことを噂通りの人間ではないと認めており、頻繁に見舞いに行く程度の仲になっている。そのため最近の悩みの種は彼の自称舎弟達に絡まれることで内申点が下がることである。 生徒会長の八重樫若菜とは腐れ縁というか親友というか、ともかく幼なじみにあたる関係。恋愛感情は互いに一切ないが、外から見ると相思相愛に見える。 彼女は八幡は悪い奴じゃないんじゃないかと思っている人物の一人で、そんなこともあって最近八幡と月棃が仲が良いことを喜んでいる。 ちなみにこれは余談だが、月棃にはファンクラブというか親衛隊のようなものがある。登録人数は八幡の自称舎弟の三分の一程度。 当然だが八重樫も月棃本人も知らない。恋仲に見える八重樫との仲を切り離すどころかむしろ応援しているというか、温かく見守っている。 つい先日覚醒したばかりなのでレネゲイドの知識についてはかなり偏ったものとなっている。 UGN・FH・ゼノス等はそういった組織がある、といった程度しか知らない。これを教えたのは八幡。 超常の力を大っぴらにするべきではないと思っており、身の回りにどれだけいるのかも把握していないためオーヴァードであると公言していない。 彼がオーヴァードであることを知っているのは、現状自分と八幡以外には彼を襲撃した犯人のみ。 彼を守った少年、『檮杌』またの名を『八万殺しの虎』、八幡泰河の現在について 偶然襲われる月棃を目撃し、身を挺して守った。守った理由に関して本人曰く「うちの制服で俺が見たことない顔だったから」。 命に別状はなかったが、利き腕が皮一枚しか繋がっていない状態まで引き裂かれたことにより、戦えるまで筋力が回復していない状況。 現在は腕を吊っているため、喧嘩に負けただの、ヤの付く者に仕返しされただの、警察にたて突いただの、ありもしない噂が飛び交っている。 噂が飛び交うのはいつものことなので半ばあきらめて自主休校と自宅療養をしている。 学校を無断で休むのはよくあることだが、今回に関してはしっかり手続きを踏んで欠席している。ただしこれも停学処分中だと言われているらしい。 それどころか一部ではこの連続通り魔事件の犯人なのではないかと噂されているのだとか。 最初の頃は月棃のことを鬱陶しく思っていたが、最近は殆ど外に出歩かないこともあり、暇つぶし相手・会話相手としてよき友となっているようだ。 なお相も変わらずUGNのことは信用していないため、月棃が巻き込まれてオーヴァードになったことは誰にも言っていない。

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