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小さなころから、親は優秀な兄ばかりをかわいがり私を見てくれたことなんてなかった。…見てくれないだけではない。ストレスが溜まれば、はけ口に。顔だけはいいから、周りからバレないように服の下ばかりを狙われた。いつも体のどこかには痣があり、体が痛くないことなんてなかった。誰かに大人に助けを求めたことだってあった。兄にも。…でも誰も、誰も助けてくれなかった。大人は、外面の良い両親を信じろくに取り合ってくれず、兄には同じ目にあいたくないと見て見ぬふりをされた。 ぬいぐるみを作っている時が一番の幸せ。自作のウサギのマスコットをカバンにつけている。不安になると握っている。 「外にいるときは笑顔で楽しそうにしなきゃいけない」それが親から叩き込まれたルール。守れないといつもよりひどいお仕置きをされていたため、できるだけ親の機嫌を損ねないように、大人の顔色を窺って生きてきた。そのため、大人の前では無意識にいい子のふりをしてしまう。 ずっと、自分が生きている理由がわからないまま生きてきて、死にたいと感じてからは早かった。何度も死のうとした。それでも、直前になると「怖い」「死にたくない」という気持ちに押しつぶされて死ねずにいた。死にたいのに自分が弱くて死ねない。 一人で死ねないと悩んでいた時、ふと思い浮かんだのがHO被害者だった。特別に仲良しなわけでもなかったが、彼とであればこの人生ともお別れできる、死ぬことも怖くない気がする…とそう感じたのだ。けれど、何も考えずに一緒に死んで欲しいと頼んで許してくれる人間は居ないだろう。 だからいじめた。彼が死にたくなるように、一緒に死んでくれるように。 両親と同じようなことするのは気が引けたが、手段を選んでいられるほどの気力は持ち合わせてはなかった。

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