タグ： 穂折カイ

高校二年生にしてフォロワー3000人のインスタグラマー。女性っぽい喋り方や女性ものの服を着るが、性自認は男性。最近は自分をバイセクシャルかもしれないと思い始めた。 女性っぽい服を着るのはそっちの方が好きだから。口調は容姿に合わせた方が「そういうキャラ」として捉えられるため、面倒ごとはあれど対応が楽。なので普通に男性っぽい喋り方もする。 家に帰りたくないのは父親と顔を合わせるのが気まずいからである。 蘇芳家は父親一人、悠理一人である。母親はトップモデルであった。おっとりとした気性の父親と、それまで苛烈な世界でやってきた母は、悠理が生まれてから10年ほどはうまくいっていた。しかし長らく芸能界で過ごしてきた母は移り気だった。夫を愛していないわけではないが、安穏とした生活では刺激が足りないと感じてしまうのだった。それは悠理が中学生のころに最も顕著になり、父親は「悠理のために良くない」という理由で悠理が中学2年になるころに離婚を決めた。両親とも今でも悠理のことは愛しているため、母と悠理は今でもたまに会う。父も特に咎めることはしない。 しかし悠理は思う。両親が離婚したのは自分のせいではないか？父はほとんどのことを受け流せる、ひどく優しい性格をしている。母の浮気くらい許せたのではないか。彼もまた両親を愛しているがゆえに従うことしかできないのだった。 トップモデルの母の血を継ぎ、容姿に恵まれた悠理は母と同じようにファッションの道へと興味を持つ。バイトして得た金額をほとんど美容や服に使う悠理を見て、父は一度「まだ早いんじゃないか」という小言を一度だけ呟いた。うわ、と思い、父と顔を合わせるのが気まずくなった。父は日に日に性別を超えて美しくなろうとする悠理に、かつての妻を重ね、そうそうに親元を離れてしまうんじゃないかと寂しくなっただけなのだが。 通過シナリオ Lily,Lily　

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