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わぁ。このメモ人物像とか詳しく書くところだったの 。気付かなかった😇 地頭が良く教養が高いので良い大学に通っていたのではないでしょうか。登山はサークルの仲間に誘われた企画イベント「富士山麓を楽しむ会」に特に断る理由もなく参加したのがはじめて。盛り上がる口実としてのキャンプかハイキングの延長線。ただ足を進め目的地を目指す、その過程の交流を楽しむ娯楽。そんな考えは、間もなく登頂を迎えるという頃には霧散していた。覚えのない高揚感。上がった息にすら興奮を覚える。友人たちの「だるい、疲れた」などの言葉は、世渡り上手で周囲の反応に常に気を配るはずの彼の耳には最早届いていなかった。容赦のない風も、美しいというには強烈な陽の光も、彼に疲労感を凌駕する全能感をもたらした。自分は今この頂に立つべくして立った。自分はこのつながりを求めていたのだ。 その後彼は国内外での登山活動をはじめる。身なりには気を配らなくなった。最低限の身嗜み、出来得る限り最高の装備。金はあるだけあればいい。自分の居場所は、あの酸素の薄く生きるものには慈悲のない頂にこそあるのだから。 「はぁ。だる。登山ってやっぱ疲れるだけだね」「早く帰ろう」 一時のスリルを求め興味本位で共に剣ヶ峰へ立った(あるいは数人は登頂を諦めた早々に下山した)友人達の声を背中で聞きながら、彼は静かに思った。 ――あぁ。邪魔だな。

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