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クトゥルフ PC作成ツール
惨鱈しかり
ID:3791553
MD:908f6af874191859ef566957f98a3dfb
惨鱈しかり
タグ:
なるせ家の探索者
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
(惨鱈/-) 四十になった彼は、人並みの幸福を手に入れていた。愛しい人との挙式も済み、その上来年には第一子の出産も控えていた。長らく嫌われていたと思っていた弟とも久々に話してみれば今までの緊張状態が嘘のように消えていた。その節に関しては若干疑問の残るところはあるが、何にせよ氷点下にあった兄弟仲が雪解けを迎えたのは喜ばしいことである。叔父一家の瓦解によって激しく消耗していた彼の精神は、長い歳月を経て少しずつ癒えてきていた。十年ほど前零課に所属していた頃に発生した庭師事件に関しても、彼は己のせいではないと思い込みたかったのかもしれない。自身のせいではないと信じ込んで、惨鱈しかりはそれで良しとする人間であると諦めたかっただけだ。そこに再び立ち上がる勇気がないことを、何か別の台詞に言い換えたかっただけだ。 しかしそうであっても、彼の本質は悲しい程に正義を求めるのだ。時間の流れは時に残酷で、一度葬ってしまった信念でさえ再び惹きつけ出会わせてしまう。身の丈に合わない遥かな理想など、死力を尽くしても守り切れないそんなものなど早く捨ててしまえばよい。どう藻掻いたとてそれは彼を傷つけ、苦しめるに違いないのである。一たびぽっきりと折れ、信条と引き換えに自由を得たはずの彼は、気付けばかつて己が相対していた巨木の下へ再び舞い戻っていた。もう彼がここに囚われる必要などどこにもないというのに、である。妻帯の身で今だ最前線に立ち続け、多忙な日々を送っているのにはそのような事情あってのことだった。彼はやはり、家庭の幸福を何よりも尊んでいた。そこには妻といずれ誕生する子供のみが存在し、自身は彼らの守護者として、彼らを脅かす外界の全てと対峙する最後の砦として機能することを想定していた。もう父親になるというのにそれでも彼は、あの時とまるで変わらない使命感に囚われている。 ―――――――――――――――――――――ー 以下庭師時点CS (惨鱈/-) 彼は元来、人情に篤い性分であった。子供ながらに交通事故のニュースに心を痛め、役員や政治家の不正に顔をしかめた。その嫌悪が一体何によるものなのか、彼自身にもわからなかった。ただ漠然と、理不尽に身に降りかかる不幸が許せなかった。それが彼の人生に一切の影響を与え得ないものだとしても、せめて当人にとってより相応しい因果がもたらされるべきと、そう願っていた。 彼のその性情を、敢えて言い表すのであれば正義であろう。彼は正義感に駆られていた。身の立て方も社会の仕組みさえわからぬ子供は、しかしそれ故に未熟で不完全な、空理空論に等しい勧善懲悪を信じていた。 青年期に差し掛かっても、その信条が揺らぐことはなかった。その信ずるところは、彼に新たな目標をもたらした。則ち、刑事として自ら世の不条理を是正するということである。彼にとって正義とは自然、個人が有する権利を不当に侵害されることなく生活することを意味し、同時に道徳に背くものを咎め規律に反するものを罰することを示す。それぞれが己に相応しい顛末を迎えるのに、当人以外の誰も彼も干渉してはならない。罪のない子供や無力な人々が、無下にされ踏みにじられるようなことがあってはならない。彼の胸中で渦巻く曖昧模糊とした道義心は、肉体的な成長と共に次第にその外殻を獲得していった。 しかし彼の両親はこれに対して難色を示した。彼らは幼少期より出来の良かった長男を、どうしても医者にしたかったのだ。頑として折れようとはしない彼と独断専行的で浅慮、横暴な両親との間には以前より度々亀裂が走っていた。高校2年の春、燻り続けた火種は弾け、大学入学以降彼は完全に両親と袂を分かつこととなる。彼らは一度たりとも、息子の正義を理解しようとは努めなかった。彼らにとって、己の栄誉の前には子供じみた正義感など些事に過ぎなかった。 十年前、彼が二十歳の誕生日を迎えたちょうどその頃。父親の弟一家が子を授かった。しかりと折り合いの悪かった彼の父親はまた、兄弟仲も険悪であったため、彼は叔父とはどこか通ずるところがあったのかもしれない。少なくとも、彼は常に穏やかな笑い声の絶えない叔父一家に対して並々ならぬ好感を抱いていた。それこそが、ついぞ己に与えられることのなかった幸福であることを理解していた。であるからこそ、二回りも年の離れた従兄妹のきりを実妹のように可愛がった。大学生となった彼はそこそこに多忙であったが、それでも暇をぬっては度々千葉の一家を訪れ、夕食を供にした。自らの手で育てた花々を束ねて贈り、幼い彼女が蕾が綻ぶ様に笑むのを至上の幸いに思った。慈愛に満ち溢れた母親の微笑みが、愛娘をあやそうと道化をする、本当は不器用な父親の一生懸命さが、何物にも代えがたく喜ばしかった。何人たりともこの一家の安寧を侵してはならない。このような平和を享受すべき人間が他にも大勢おり、彼らの日々を守ることこそが自らに課された使命であると、本気でそう考えていた。 彼はまた、かつて非常に多趣味で多芸、ニッチな人物であった。好んでMT車の免許を取得したのは彼のマイナーな性格によるものである。実家が潤沢な資力を有していたことから、幼少より七帝柔道のレッスンを受け、高校では射撃部に籍を置いていた。特にピストル射撃では何度か高名な大会に出場したこともあり、それなりに精力的に活動していたといえる。某有名大の法学部生となってからもその性分は健在で、地理環境や心理学教室、実に多彩な教室に出入りしそのどれもでそれなりの好成績を修めてきた。敢えて確執の残る医術の分野にまで幾分かの見識を得たことは、両親への小さな当てつけであった。趣味の領域でも彼は常に充実しており、新たに始めた植物同好会なるサークルでは存分にその博物学の知識を活用した。同好会での交友は彼にとって良きものとなり、大学卒業後も他大の植物研究サークルとの親交がしばらくの期間に渡り続いていた。 そして五年前。約一年間のドイツ留学を経て帰国した彼を待ち受けていたのは、叔父一家の崩壊であった。否、彼を迎えたのはただ一つ、消失である。確かにそこにあったはずの幸福は、跡も残さずきれいさっぱり消え失せていた。 彼らが一体どこへいってしまったのか。何度自宅を訪ねようと電話をかけようと、再び彼ら一家と相まみえることは叶わなかった。彼の胸中に残されたのは困惑と虚無、そして絶望的な喪失感であった。他に手立てがないとわかった彼は、意を決して家族に連絡した。彼はそうして、叔父家族が蒸発した経緯を知った。聞けば母親は娘と出かけた先で交通事故によって死亡、間一髪で衝突を免れた娘も不幸にもしばらく後に不治の病に倒れたらしい。父親はといえば、借金を踏み倒して蒸発したという。彼はそれを、数年ぶりに再会した弟の口から聞かされることとなった。 そんな訳があるかと思った。あの幸福な家族は、永遠に失われてしまったというのか。到底信じられるはずがなかった。息を切らせて実家の敷居を跨いだ彼は、藁にも縋る思いで最期の頼みの綱である父親に真相を訪ねた。すると彼は、素知らぬ顔をしてその通りだと宣うのだ。そしてあろうことか、彼らの娘は恐らくもう亡くなったのだろうと言うのだ。背筋に冷たい汗が滲むのを隠し聞けば、確かに入院したはずの彼女はいつの間にか消えていなくなっていたのだという。無造作に借用書を押し付け苦々し気にそう吐き捨てた彼は、そうしてしてやられたとかぶりを振ったのだった。 なぜこのようなことに。あの一家の平穏無事な日常は、どうしてこうも狂ってしまった。どうにか自分が守ってやりたいと思っていたはずの彼らの安寧は、己のいないところで永久に失われてしまった。遠くいくつもの海と大陸を隔てた彼には、到底どうすることもできなかった。なぜこんなことになってしまった。ひとたび宙に散ったのならば、二度と盆へは返らない。俺がそばにいてやれば?否、それは正しい悔恨ではない。そばにいたはずの父親は、一体何をしていたというのか。長い混乱と狼狽の末彼が遂に辿り着いた終着点は、惨鱈しいなへの強い非難であった。 そうだ、父親は何をしていたのか。まだ幼い愛娘が病に苦しんでいるその隣で、少しでも苦しみを和らげようとする仕事は、まさに彼の果たすべき役割であったはずではないか。両親が我が子を守ってあげなくてどうするというのだ。たとえ不慮の事故により妻を失っていたとしても、であれば尚更、残された父親には娘を保護するという役目が課せられるはずではないか。なんだって彼は、その約定を反故にしたというのだ。 もう長いこともたれかかっていた大きな柱が、軋む音がした。幼い彼にとって、それがどれほど頼もしく偉大な存在であっただろうか。家庭内不和も周囲の理解を得られない悲しみも、正義の信念のためと思えばさほど苦にはならなかった。しかしそれは存外、中の空虚な大柱であった。誰も彼もを理不尽から守るなど、土台無理な話だったのだ。降りかかる火の粉は尽きることなどなく、常にあらゆるところで誰かが憂き目を見る。一生かけたとして、己に救うことが出来る人間などほんの一握りに過ぎないのだ。 従兄妹の大事なときにそばにいてやれなかった、何も知らず遠く異国でのうのうと暮らしていたということは、どうしようもなく嫌悪を掻き立てた。理解し難い、どうしても受け入れ難い現実は、彼の信ずるところを大きく歪めることとなった。結局彼は、大義のために己と向き合うことができず、全てを投げ出して保身に走ったのだ。あれほど打ち込んでいた園芸も、もうどうでもよくなってしまった。ベランダの草花は枯れ果て、剥き出しのコンクリートが日に焼けている。当然だ。花を贈るべき相手など、今となってはどこにも存在しないのだから。もはや刑事を続ける意義も見当たらないが今更引き返すのも億劫であった。惰性でこれまで通りの業務をこなしつつとりあえずの他人の正義に追従する。己の手から零れ落ちた、守り切れなかったものの存在を、仕方がなかったとして否定しないままでいる。新たに与えられたチーフ補佐という役目は、その点において実に都合が良かった。ただチーフのことがどうにも気に食わないのは、彼の熱く揺るがない強固な芯を感じたからであろうか。実際はどうであれ、少なくとも彼の目にはそのように映っていた。己が顔を背けた何かを、彼はまっすぐに見つめているようだったのだ。かつての自分の姿と、声高に正義を訴えた幼い自分と、どこか重なって見えたのだ。・・・今となってそのようなこと、彼にとっては直視し難い事実の一つに過ぎないのだが。
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